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一回のボーイングの中で、弓のスピードと圧力をコントロールする

/ ニッケルハルパ奏者

昨日は、「弓のスピード」「圧力」「駒との距離」がそれぞれ相関関係にある、ということを書きました。

「弓のスピード」「圧力」「駒との距離」の相関関係について

これは、「弾く位置(弓を置く位置)によって、必要とされる弓のスピードと圧力の大小には、おおまかな傾向がある」という内容でしたが、

今日はそれに加えてもう一つ、演奏中に私が意識していること(習ったこと+自分の解釈)を書きたいと思います。

一回のボーイングの間で、さらに弓のスピードと圧力をコントロール

それは、「一回のボーイング(弓を上から下/下から上に一回動かす)の間で、さらに弓のスピードと圧力をコントロールする(変化させるetc)」ということです。

昨日書いた原則の通りに弾くだけだと、弦の同じ位置で弾く場合は、同じスピードと圧力で弾き続けることになりますが、実際には、弓を一回動かしている間、スピードと圧力を微調整しつづけながら演奏することになります。


たとえば、

・音の出だしをスピードダッシュ的にスッと速く始めて、音の終わりで少しふわっと失速したり(タンー、という感じ。圧力は最初だけかけてあとは抜く)、

・音の始まりをゆっくり始めて、途中で速くして、また終わりで遅くしたり(うわん、という感じ。圧力は途中の速い部分だけかける)、

・2拍/3拍分を一回のボーイングで弾く際に、拍の頭のところだけ弓を速く動かしてリズム感を出したり(ランランラン、という感じ。拍の頭で圧力をかける)、

など。

また、一回のボーイングの中でスピードを「変えない」としても、さらに弾き方のバリエーションはあり、たとえば

・ポルケットなどを弾く時のように、速く始めてそのスピードのまま急に止まる(終わりを遅くしない。圧力は音の最初だけかけてあとは抜く)とか、

・じゃーんと音を響かせる時のように、最初から最後までゆっくりと、圧をかけて響かせきる

などの弾き方ができます。

(ここに書いたものは、私が習ったものや今思いつくものだけなので、他にもやり方はたくさんあると思います)


昨日の原則と照らし合わせていえば、弦の同じ位置で弾く場合にも、その位置で求められるスピード・圧力には許容範囲があり、その許容範囲の中でさらにスピードと圧力をコントロールすることができる、ということかなと私は考えています。

(↑これは誰かに言われたわけではないので、私は今のところそう解釈しています、というものです)

スピードと圧力の関係性は?ー出したい音次第で変わる

昨日の原則だと、

駒から「遠い」ところではスピードは「速く」圧力は「小さく」→弱い(小さい)音が出る

駒から「近い」ところではスピードは「遅く」圧力は「大きく」→強い(大きい)音が出る

というものでした。

これだけだと、「スピードが速い=圧力小さい」「スピードが遅い=圧力大きい」と単純化したくなるのですが、

おそらく実際に弾いている時には、スピードと圧力は単純な相関関係によって弾くのではなく、どういう音を出したいかによって、速い/遅い×強圧/弱圧を自由に組み合わせている(→スピードと圧力は常に一定の法則でセットになっている、というわけではない)と、私は考えています。

(でも、セットで単純化して教えてくれる人もいたので、解釈の違いかもしれません)


たとえば、圧力を弱く弾くと、共鳴弦の響きをいかしたふわっとした音が出る一方で、圧力を強めることによって、メロディ弦自体の鳴りを生み出すことができるので、実際には、一つの音の中で両方を使うことが多いのかなと思うし、

その時に、必ずしも圧力とスピードの関係性はセットではなく(→圧力を強めたら必ずスピードを遅くする、ということではなく)、「スピードが速いまま圧力だけ変える」こともある。

もしセットの場合だとしても、「速く・強く」「速く・弱く」「遅く・強く」「遅く・弱く」の組み合わせは、状況次第でどれも自然と起こりうるものなので、必ずしも「速いー弱い」「遅いー強い」の組み合わせだけではない。

というように考えています。

その時々で組み合わせが変わる、ということです。

(しかも、どれも実際にはグラデーションになっています)

書いておいてなんですが、この辺はあまり深く考えずに、演奏していて自然とやっていることに従うのがいいかなと、思います。

実際に組み合わせていく

昨日の原則と、あとはこの「一回のボーイングの中で弓のスピードと圧力をコントロールする(変化させる/あえて一定にするetc)」ことを組み合わせることで、色々な表情を持たせて曲を演奏することができます。

では、どういう組み合わせ方をすればいいのか(どういう時にどういう音の出し方をしたらいいのか)というと、まずは曲のタイプによっておおまかな傾向があるのと、さらに自分が一瞬一瞬でどう弾きたいか、によって自由に変えることができます。

なので、曲(ダンス)のタイプを知ることは、演奏するうえでとても役に立ちますし、最終的には、自分の判断(好み)です。

難しいのは、これらの要素に関して、「自分がこう弾きたいと思っているもの」と、「実際に自分がやっていること」が、意図せず違ってしまう場合が多いということです。

そういう時は、自分が出したい音や、弾きたい弾き方をしている奏者の演奏をよく聴いて(見て)、自分の演奏と何が違うのかをひとつひとつ発見していくことが、地道な作業ではありますが、一番の近道です。

そしてこれが、最も楽しい作業のひとつでもあります。

また、その過程で「こう弾くべきだ!(こう弾くはずだ!)」と決めつけずに、色々な弾き方や音の出し方をしてみて、楽器と弓の感触と音色の変化の具合を知ることも、大切かなと思っています。

「自分にとって弾きやすいか/弾きにくいか」という観点で、シンプルに考えるのもいいと思います。


私自身、できていないことも多いのですが、今の時点で書ける自分なりのアドバイス(のようなもの)を書いてみました。

もしよければ、参考にしてみてください。

お読みいただき、ありがとうございました。