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親指を広げるのを意識する

/ ニッケルハルパ奏者

先日、人差し指と弓の接し方について書きました。

人差し指と弓の接し方は、演奏中、自然に変化する

それに続いて、今回は「親指を広げるのを意識する」について書きます。

普段の生活でも、練習中でも、私は「親指をぎゅっと閉じる癖」があるようだ、と最近気がつきました。

そこで、普段も練習中も、「親指を少し広げる」ように意識してみたところ、それだけで腕や肩のあたりまでが楽になったように思う、という話です。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

親指を閉じる癖

特に、こうしてブログを書いている時などがそうです。

私には「親指をぎゅっと閉じる癖」がありました。

過去形ではなく、今現在もありますが、ついこの前までは無自覚でした。

「親指を閉じる」とか「開く」というのは、今私が思いついた言葉ですが、ご想像はつくでしょうか。

「親指を閉じる」と書いているのは、親指を手のひらの人差し指のつけ根側にぎゅっとくっつけているような状態のことです。

「開く」と書いているのは、親指を広げた状態のことですが、力を入れて広げるというよりも、リラックスした開いた状態のことを指しています。

私は、たとえばノートパソコンに向かっている時、そして楽器を弾いている時に、無意識に親指(特につけ根のあたり)に力を入れて、ぎゅっと内側に閉じる癖があるのでした。

親指と他の指ー動きの方向性について

私は手のことにあまり詳しくないのですが、知っていることを少し書きます。

手の指は、親指と、その他の指とで、曲げ伸ばしをした時に動く(伸ばす)方向性が若干違います。

手のひらをまっすぐにしてみた場合、人差し指~小指までは曲げ伸ばしをすると「上下」の動きがメインになりますが、親指の場合は別で、どちらかというと「横」に開く感じなのです。

これは、私は身体の使い方のレッスンで知ったことです。

レッスンで学ぶまでは、「親指も他の指と同じように上下に曲げ伸ばしをするものだ」と思っていましたが、確かに言われてみれば「横に開く」というイメージで動かした方が、親指がより自由に動くし、手のひらがより大きくストレッチされると思いました。

特に親指のつけ根の部分、おそらく一般的に「母指球(ぼしきゅう)」と呼ばれるあたりの、複数の筋肉がストレッチされて、楽になると思いました。

また、前腕(肘から手首までの腕の部分)の内側や、肘の内側も楽になるような気がしました。

親指を開く(広げる)ように意識する

親指を開く(広げる)ように意識すると、この母指球のあたりの筋肉の緊張が抜けて楽になる。

ということは、「普段は私はそこにずっと力を入れている」ということです。

身体は連動しているので、親指の筋肉に過剰な緊張があるということは、他の手や腕の部分にも悪影響が出ているということです。

私の場合ですが、親指をぐっと閉じていると、肩全体も内側に向かう巻き肩の方向性にいき、首の横から上腕にかけても力が入ってしまうと感じました。

特にノートパソコンに向かっている時が顕著ですが、その時の姿勢を、さらに普段の生活でもキープしているような感じです。

この「親指ー腕・肩・首」の筋肉の連動は、おそらく筋膜のライン(※)などが関係しているのだと思いますが、詳しくはご説明できずすみません。

とにかく良くなるのだ、ということだけ、自分の身体で実験して気づいたのです。

※筋膜ラインについては、こちらで少しだけふれています→身体をひねる動きー肩甲骨と骨盤の連動を意識して感じたこと

ですので、意識的に、親指をリラックスして開くようなイメージで生活するよう意識してみると、それだけでも腕から肩全体にかけての力の入り方や、身体の動き方が変化したように思いました。

これは、厳密には、親指を閉じるか開くかといった「親指の位置」自体に問題があるのではなく、そこに繋がる筋肉の過剰な緊張が原因なのだと思います。

つまり、親指に無意識にぎゅっと力を入れているのでなければ、閉じていても開いていてもどちらでも良い、ということです。

私の場合は、閉じている時に無意識に力が入っていることが多いので、あえて広げるイメージを持つようにしました。

楽器を弾いている際の変化

楽器を練習している時にも、親指を広げる意識を持つことで、このような変化を感じました。

右手

まずは右手です。

右手は弓を持っているので、完全に手を開くことはしませんが、親指のつけ根のあたりをリラックスさせるように意識してみました。

一応、普段から手をリラックスさせるよう心がけていたつもりでしたが、あらためて意識してみると、自分がいかに普段から、親指のつけ根に力を入れて弓を持って(演奏して)いたかが、よくわかりました。

その力が抜けると、まず手全体の余分な力が抜けました。

そして、親指のつけ根の力が抜けることで、右の肩~腕にかけての「親指に繋がるライン(親指側のライン)」の過剰な緊張がゆるみ、内側に巻いていた肩がゆるみ、腕全体(弓)を動かす時に感じていた抵抗が少なくなりました。

楽器と右上半身の間のスペースも、今まではぎゅっと楽器を抱え込んでいたのが、適度なすき間や空間に多少の遊びが生まれた感じです。

左手

次に、左手です。

左手の親指に関しては、私はまだあまりうまくできない(普段の癖に戻ってしまう)時が多いのですが、親指を開くようにしたところ、

  • 楽器に対する左手の角度
  • 左腕全体の向き
  • 左肩の角度

が少し変化したような気がしました。

文字で書くとわかりにくいのですが、左肩~腕~手までの全体のセッティングが変わったような感じです。

特に、私は手のひらを上に向ける(肩を開く)動きが苦手だったようで、今までは肩を内側に巻いた状態で、手の甲が若干外向きになりながら、肩の動きで頑張ってキーを動かしていたと思います。

それが、親指を開く意識を持つことで、手のひらを上に向ける(肩を開く)動きが少しできるようになってきたような気がしました。

また、親指の意識を変えることで、小指側にも変化がありました。

私が思うに、親指と小指の動きは連動しているので、親指が内側に曲がると小指も自然と曲がるし、親指が広がると小指も自然と広がりやすくなります。

親指を広げることで、高音部のキーにあたる小指部分が広がりやすくなり、親指を閉じている時よりも、小指がより動かしやすくなると思いました。

私は今まで、「親指を閉じて、小指に近づけた方が、小指側が自由に動けるのでは」と思っていたのですが、

もしかしたらそれは反対で、親指と小指がそれぞれ(反対方向に向かって)広がっていた方が、小指も自由に動きやすくなるのかなと、思いなおしました。

(「反対方向に広がる」まではいかなくても、親指にぎゅっと力を入れない方が、小指も動かしやすいのかな、と思いました)

左手に関しては、まだ普段の癖が根強く残っているので、少しずつ意識していきたいと思います。


以上、「親指を広げるのを意識する」について書きました。

親指と、腕や肩との筋肉の連動については、他にきちんと説明してくれているサイトもあるかもしれません。興味のある方は、ぜひ調べてみてください。

私自身は、今回は「原理はよくわからないけど、やったら効果があるからやってみよう」という感じでやってみています。

親指のつけ根のあたり、力を入れてしまってこっている方も多いと思うので、もしよければぜひ意識してみてください。

お読みいただき、ありがとうございました。