峰村茜のホームページへようこそ!どうぞごゆっくりご覧ください。

それぞれの地方の伝統音楽の特徴

/ ニッケルハルパ奏者

昨日、スウェーデンの地方(Landskap)について簡単にご紹介しました。

スウェーデンの地方(Landskap)

それに関連して今回は、それぞれ地方における伝統音楽の特徴を、これまた簡単に、私なりにご紹介したいと思います。

全部の地方については書けないので、いくつかピックアップしていきます。

①Uppland

まずは私がニッケルハルパで留学していた、ウップランド地方(Uppland)です。

この緑の部分ですね。

ウップランド地方はニッケルハルパが伝わっている地方です。

他の地方では主にフィドル(=バイオリンのこと)が演奏されているのに対し、ウップランド地方ではニッケルハルパとフィドルの両方が演奏されています。

(知り合いが言うには、「ウップランド地方はニッケルハルパがあったので、フィドルが入ってくるのが他の地方より少し遅かった」とのことです。が、その知り合いはニッケルハルパ推しの人なので、その情報も正確かどうかはわかりません。盛っているかもしれません)

曲の特徴(特にニッケルハルパ)

ウップランド地方の曲、特に、ニッケルハルパでよく弾かれる曲の特徴は、

  • 明るい曲(長調の曲)が多い
  • パターン化されている曲調とリズム

ですかね。私視点ですが。

「パターン化されている」と書いたのは、曲調やリズムが、ひねりにひねったややこしいものではなく、同じようなコード進行や、一定のリズム、フレーズのパターンが繰り返されるような曲が多い、ということです。

なので、1曲1曲はわりとメロディをつかみやすく、覚えやすく、弾きやすいです。

その分、おそらく、知らない人が聞いたらどの曲も全部同じ印象に聞こえるかもしれませんが、それも「良さの1つ」だと言っておきたいと思います。

最近、Instagramで毎日演奏動画を1曲あげているのですが、そちらもほとんどがウップランド地方の曲になっています。私の趣味ですね。

ウップランドの曲は、やはりニッケルハルパで弾きやすいキー(音階)になっていることが多いのです。弾きやすいだけでなく、重音(メロディ以外の音)を入れやすいんですね。なので、ちょっと豪華な感じで弾きやすい曲が多いです。

ウップランド地方のフィドル

また、ウップランド地方のフィドルで言えば、昔の演奏家でダーラナ地方から引っ越してきた人がいて、その人の影響で「ウップランド地方で伝わる、ダーラナ地方の曲・演奏スタイル」というのが1つの系譜になっています。

本元のダーラナ地方とはまた少し違うメロディや演奏が伝わっていて、それが1つの伝統になっているんですね。

で、もちろんそれだけではなく、ウップランド地方のフィドルも色々な演奏家の演奏スタイルや伝統、曲が伝わっています。

ニッケルハルパで弾くような曲もあれば、そうでない曲も全然弾くので、ウップランドのフィドル文化も実はかなりおもしろいと思います。

ウップランド地方については以上です。

(参考までに。地図もう1つ)

※参考までに、以前私が「ニッケルハルパに関係する(かもしれない)ウップランド地方の地名を載せた地図」を描いたので、そちらも載せておきますね。これも手描きなので正確性はそこそこ…ですが。

②Dalarna

次は、さきほど名前をあげた、ダーラナ地方(Dalarna)です。

丸が大きくなってしまいましたが、こちらですね。大きい地方です。

スウェーデン単体の地図で見るとよくわかりませんが、この辺は左側(西側)がノルウェーと接している地域なので、かなり内陸部の方になります。

私が聞いた話では、ダーラナ地方のような内陸部は、海に面している開けた地域(ウップランド地方など)よりも周囲との交流(外から流入してくる文化)が少なかったので(特に陸の交通網が発達するまでの間)、より色濃く伝統文化が残っているそうです。

実際、ダーラへスト(ダーラナホース。ダーラナ地方の赤い馬の民芸品)とか、色々ありますよね。

テキスタイル関係でもダーラナ地方に留学(サマーコースとか)に行かれる方も多いですし、日本でも、ダーラナ地方ってスウェーデンの中ではやっぱりちょっと有名な地方な気がします。

(スウェーデンの人たちの中でも、「ダーラナは伝統文化が強く残る地方」というイメージがあるように私は思います)

曲の特徴

伝統音楽の話に戻りますが、ウップランド地方以外ではフィドルが主に演奏されているので、ダーラナ地方もフィドルが中心です。

そんなダーラナ地方の伝統音楽の特徴として私が思っているのは

  • 地域ごとに特徴が細分化されている
  • メロディやリズムがユニーク

ですかね。これも私視点ですが。

ダーラナ地方の曲って、「『ダーラナ』でひとくくりにはできない」というのが1つ特徴としてあるかなと思います。

ダーラナ地方の中でも、Bingsjöなのか、Orsaなのか、Bodaなのかetc…(←どれも地域名)みたいな感じで、「ダーラナ地方の中のどの地域か」によって特徴が違います。曲調もそうだし、ダンスのリズムもそうです。

また、さきほどのウップランド地方と比べて、曲のメロディやリズムが複雑というか、曲の長さは短めなのですが細かい部分の工夫や装飾みたいなものがたくさんある印象で、

一定のリズムで1曲通して弾くのとはまた少し違う、ユニークな面があるかなと思っています。

これはまあ、どの地方もそうといえばそうなのですが。

「わりと一定のリズムで弾けるタイプの曲が多い地域」と、「そうでない地域」とがあり、ダーラナ地方はわりと後者の地域が多いかな、というイメージを私は抱いています。

こんな感じでしょうか。


さて、まだ2つの地方しか紹介していないのですが、ここまでで少し分量があったので、続きはまた明日書きます。

他の地方については、どれくらい書けるかわかりませんが(「私の知識が足りていない」という意味で)、私なりに楽しく紹介していきたいと思います。

今日は私は演奏があるので、そちらを楽しみに1日過ごしたいと思います。皆さんもどうぞ良い一日をお過ごしください。