楽器の演奏に限らず、物事の上達の一番の秘訣は「続けること(やめないこと)」だと思います。
今回は、このことについて書きます。
続けていれば必ず上手くなる
物事は、続けていれば必ず上手くなります。
続け方や取り組み方によって、効果の出方・効果が出るスピードは違うと思いますが、とにかく大事なのは「続けること」です。
やめさえしなければ、必ず上手くなります。
私の話になりますが、1カ月くらい前から筋トレを始めました。
筋トレと言っても、自宅でYouTubeを使って10分くらいでやるような、ゆるいものなのですが。
最初は全然できなかった動作が、一週間くらい続けると次第に連続でできるようになってきたり、より力を入れてできるようになってくる、という変化を自分の身体を通して強く感じています。
私の場合はもともと運動不足なので、筋トレの効果がとてもわかりやすいのだと思いますが、こういう「続けることによる効果」「続けることで『できるようになってくる』感覚が得られること」というのは、筋トレに限らず、なんにでも当てはまることなのだと感じています。
変化が目に見えるようなものはもちろん、効果や違いをすぐには感じにくいもの、たとえば楽器の上達なども同じだと思っています。
楽器も同じ
楽器も、続ければ続けた分だけ上達します。
楽器の扱い方、演奏時の力の入れ具合、具体的なテクニックだけではなく、楽器の音色を聴いた時の自分の耳(=音程やリズムや音色の聴こえ方)、リズムのとり方、頭の中での音楽の感じ方など、五感を含めて、続ければ続けるほどに変化していきます。
筋トレのように「目に見える変化」ではないので、その変化が自分ではわからなくて、やめたくなったり、やめてしまうことも多いと思いますが、本当はとても変化しています。
楽器も音楽も、やればやるだけ世界が広がっていきます。
プロかアマチュアかは関係ありません。
壁にぶつかったとしても、その先に必ず新しい世界があるし、それはいつも自分の想像を超えた世界です。
楽器や音楽を通じて経験すること、出会う人々、自分自身の成長や変化など。続けていれば必ず、自分が知らなかった世界をたくさん見ることができます。
やめたらそこで終わり。やめなければ、終わりじゃない
話は変わりますが、私は2013年~2015年にブレーキンゲで演劇を勉強した後、実は半年間ほどストックホルムに滞在したことがあります。
「演劇サークル(のようなもの)をやるから一緒にやろう」と元クラスメイト達に誘ってもらったのです。
スウェーデンでは奨学金や補助金の制度が色々あるようで、文化事業向けの奨学金に、その友達がかたっぱしから応募してくれました。それでもし奨学金がおりれば、それが私たちの報酬にもなる予定でしたが、どの奨学金もおりませんでした。
私自身はビザの問題があったので、いくつかの学校の通信コースを掛け持ちしてフルタイムの留学ビザで滞在していましたが(この方法はちゃんとOKだそうで、ビザが出ました)、家探しをして、初対面の女子学生たちと一緒に住んで、先の見えない状況の中で、ビザ申請のために申し込んだ興味の無い通信コースを掛け持ちで受け続けるのは大変でした。
(勉強が大変なのではなく、精神的に大変でした)
留学ビザでは少額のバイトすらできません。かといって就労ビザは、ビザ申請時にすでにフルタイムの仕事の契約が無いと申請もできません。
先が見えない上に、自分自身が何も成し遂げられていないことがストレスになり、ブレーキンゲ時代に運動してかなりやせた体重も半年で元に戻り、それ以上に激太りしました。
精神的にもかなり落ち込み、半分鬱のような状態で2015年末に日本に帰国しました。当時の私の気分の状態はどん底でした。
帰国した後、2~3カ月くらい落ち込んでいましたが、2016年の3月頃に日本でバイトを始め、そのタイミングでニッケルハルパを始め、その頃からまたやる気が出てきて、気分がもとに戻ってきました。
(その時は、「アルバイトをしたり働くのに、いちいちビザが必要ないなんて、最高だ!」と思いました)
その後、色々あって「ニッケルハルパで留学をしよう」と思うにいたったわけですが、当時の私が一番に思っていたのは、「スウェーデンでの滞在経験を、あの半年間を最後に終わらせたくない!」ということでした。
あそこでやめたら、私とスウェーデンの関りはそれで終わりになってしまう。絶対にこれでは終わらせたくない!と強く思っていました。
その結果、ニッケルハルパで留学して、今に至ります。
何かをやめたり、あきらめる時って、たいていあまり「良い気分」ではなかったりしますよね。モチベーションが下がっていたり、満足する結果にならなくて、その結果やめてしまう…ということが多いと思います。
すると、楽しいこともあったはずなのに、その最後の「嫌な気分」が頭に残ってしまって、その思い出すべてがその印象で終わってしまいます。
それはもったいないことだと思います。
やめたらそこで終わりです。
でも、やめなければ、その先を作っていくことができるんです。やめなければ、終わりではないのです。
続けていると自分の中で何かが育つ
話を戻しますが、楽器でもなんでも、今自分が「失敗」をしてばかりだったり、上手くいかないことだらけだったとしても、続けているうちに自分の中で突き抜けてくるものが出てくると思います。
それが出てくると、「失敗」や「上手くいかないこと」はあまり気にならなくなってきて、もっと自分にとって大切なこと、自分にとって「これは」と思うものが育っていくんです。
そして、何か大変な状況になった時、今度はその何かが自分を支えてくれます。
とにかく続けることが、いかにすごいことなのか、続けることの価値に自分で気づけるようになります。
そうなってくると、もう「やめる」という選択肢が自分の中からなくなっていくんですね。
多少忙しくて遠ざかったり、一時的に休憩する期間があったとしても、再び戻ってきます。
私自身も、「2016年の3月にニッケルハルパを始めた」と書きましたが、実はそれから半年後くらい経った頃から、約1年間くらいニッケルハルパにさわれなかった時期があるんです。アルバイトの方を忙しくしすぎてしまって、仕事以外は何もできない状態でした。
途中で「これではダメだ!」と思って、そこからまた再挑戦したわけですが。(楽器は持っていなかったので、レソノサウンドに通った日々でした)
何かをはじめる時、最初は「上手くやること」「他の人と同じようにやること」に気をとられてしまうのですが、続けていくうちに自分のペースがわかってきて、しかも「それを続けることによる恩恵(心地よさ)」みたいなものを感じられるようになってきます。
その心地よさを知ることができるようになれば、もうこちらの勝ちです。
上手くやることだけではなく、自分にとっての心地よさを感じ続けることが、続ける動機になっていくからです。
自分のペースで、楽しく続けていくことができます。
以上、「上達の秘訣は続けること」について書きました。
参考にしていただけましたら嬉しいです。
お読みいただき、ありがとうございました。