色々な人にニッケルハルパの世界が広がっていったり、新しくこの音楽を始める人が増えることによって、良いことがたくさんあると思いました。
今回は、ニッケルハルパやスウェーデンの伝統音楽の裾野が広がることのメリットを5つ書いてみます。
メリット①新しい人が入りやすい
色々な人が楽しんでいる姿を見ることができると、新しい人がより入りやすくなると思いました。
これは反対のものを想定するとわかりやすいのですが、
- 特定の層しかいない集団
- メンバーの趣味・趣向が偏っている集団
- ベテランばかりの集団
だと、新しい人が入るのにちょっと勇気がいる(抵抗がある)のかな、と思っています。
昨日のブログの「楽会」の話で言えば、ニッケルハルパを始める「きっかけ」として色々な話題があがっていましたが、
そうやって色々なことがきっかけとなっていることがわかると、「どんなきっかけで楽器を始めても良いんだ」「どんなきっかけでも楽器を楽しめるんだ」「きっかけが違っていても一緒に演奏できるんだ」と思えて良いな、と私は感じました。
また、たとえば「楽器歴」も色々な長さの人がいることで、「自分もやっていて良いんだ」と思いやすくなると思いました。
私がニッケルハルパを始めた時も、ちょうど同じくらいの時期に始めた人(今は友達)が2人くらいいて、そのおかげで続けやすかったのだと思います。
演奏人口の少ない楽器だと、良くも悪くも人間関係が濃くなったり、時には重くなってしまうかもしれませんが、裾野が広がることで、より気軽に、それぞれのスタイルで色々な人が楽しめるようになるのだと感じています。
メリット②知らないもの・新しいものを知る機会になる
また、色々な人に広まっていくことは、新しい人にとってプラスになるだけではなく、「もともとそれを楽しんでいた人」にとってもプラスになると思いました。
知らないものや、新しいものを知る機会になるからです。
たとえば、ニッケルハルパが色々な場面で演奏されていることや、ニッケルハルパで色々な曲が演奏されることなど。
昨日の話題で言えばゲームの音楽で使われていたり、あと最近ではYouTuberで活躍されている方の動画にもニッケルハルパがよく出てくるので、その関係でニッケルハルパをご存じになる方もいらっしゃいます。
そんな時、もともとニッケルハルパやスウェーデンの音楽をやっている人がその「新しいもの」に対して心を開くのか/開かないのか?というのは結構試されているかな、と私は感じています。
ニッケルハルパをやっている方は、私も含めてスウェーデンの伝統音楽を大切に思っている方が多いと思うのですが、自分は伝統音楽を大切にしつつも、それ以外の音楽が演奏されることも尊重し、応援できるのかどうか。
考え方は人それぞれですが、色々な人に楽器や音楽が広まっていくことで、もともと楽しんでいた人(私など)もまた、価値観や考え方の幅を増やす(と言うと偉そうに聞こえるかもしれませんが…)きっかけになるかも、と思っています。
メリット③世界が広がる
この音楽を楽しむ人が増えると、単純にニッケルハルパやスウェーデンの伝統音楽の世界が広がります。
人のつながり、人の輪というのはとても大きいので、知り合い同士で色々とつながっていくことで、可能性がどこまでも広がっていくんです。
これは、部屋で一人きりで楽器を弾いている時には実感しにくいことですが、昨日の「楽会」のような場所で他の人と会って話したりすることで、私も感じることができました。
②の話ともかぶりますが、ニッケルハルパやスウェーデン音楽の世界が広がっていくことは、ちょっと怖いことでもあると思います。新しい土壌で広まることで、伝統音楽が無視されてしまったり、伝統が失われてしまうことを怖れるからです。
しかし、伝統音楽の文化が失われることはたぶん無いだろうと私は思っています。今までも形を変えながら曲が演奏されてきたように、これからも演奏され続けると思うので、安心して色々な人と交流していければと思います。
メリット④紹介する時の参考になる
これは私自身のメリットですが。
私は常々、ニッケルハルパやスウェーデンの伝統音楽の紹介の仕方(言葉での紹介の仕方)について考えているのですが、楽しむ人が増え、そういった方々の話を聞くことで、私も「そうか、そういう楽しみ方もあるのか」と、参考になるのだと思いました。
自分が思っていることを言葉にするのは難しくても、他の人が言っているのを聞いて「そうそう、私もそう思っていた!」みたいなことってありますよね。
以前も書きましたが。→伝統音楽を紹介する言語を持つこと
また、自分が思っていることを他の人も口にしていたりすると、安心して自信がつきます。
メリット⑤魅力を再発見できる
最後に、よりたくさんの人が楽しむことで、あらためて、楽器や音楽の魅力を再発見できるのだと思いました。
何度も聴いて聴いて聴きつくしたと思った音源も、初めて聴く人の目線でもう一度聴いてみると新しい発見があったり、誰かに紹介する過程で、別の魅力に気がつくこともあります。
知らないものや新しいものにふれ、視点を変えてみてみることで、すでに知っていたはずの楽器も音楽も、別の側面が見えてくることもあります。
ニッケルハルパもスウェーデンの伝統音楽も、「マイナーな(ポピュラーでない)楽器・音楽」だと割り切ってしまえばそれまでですが、私は、好きになる人はきっともっとたくさんいるはずだし、そういう人にもっと届けていくことはできると思っています。
伝統音楽は「聴き慣れる」ことでより好きになる音楽でもあるので、色々な人が楽しめる機会・聴く機会を増やしていけるよう、私も頑張っていきたいと思います。
以上、「裾野が広がることのメリット5つ」について書きました。
お読みいただき、ありがとうございました。