そういえば、昨日から7月に入りました。
6月が終わり、今年ももう半分が終了しました。早いようで、毎日色々なことがあったなと思います。
ブログではすっかりスルーしてしまいましたが、6月はスウェーデンのナショナルデーがあったり、夏至(夏至祭)があったりと、スウェーデン関連のイベントが結構盛りだくさんだったのではないかなと思います。
私自身は、7月以降の演奏予定は実はまだあまりよくわかっていませんが、1回1回の演奏を大切に、普段の練習をコツコツと重ねていきたいと思っています。
さて、先週「Duo Cavez/Paulson」の配信コンサートの日本語訳を書きました。
Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳①
Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳②
Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳③
それに続いて、今度は2020年7月に行われた「Maskin」というトリオの配信コンサートの日本語訳をしていきます。
私自身、このコンサートの「曲」の部分だけを切り取った動画は見ていたのですが、MCを含むコンサート全体はちゃんと見たことがありませんでした。
今回自分で訳に挑戦しながら、あらためてコンサート全体を味わえたら良いなと思っています。
私もまだ全部は見られていないので、全部を訳せるかどうかは今のところわかりませんが(途中で訳せなくなってブログが苦行になるかもしれませんが)、できる範囲で(自分のペースで)訳していきたいと思います。
Maskin
まずトリオのご紹介をします。
トリオを構成しているのは、
- ニッケルハルパ(とフィドル)奏者のOlov Johansson(オーロヴ・ヨーワンソン)
- フィドル奏者のErika Lindgren Liljenstolpe(エリーカ・リンドグレン・リリエンストルペ)
- フィドル奏者のRobert Larsson(ローベルト・ラーション)
です。
後でご紹介する動画の、「向かって左からの順番」で名前を書きました。
この3人は、それぞれウップランド地方出身の演奏家です。
ともに同じ演奏家たち(ウップランド地方の過去の演奏家たち)を師として仰いでいて、共通のレパートリーをたくさん持っています。
スウェーデンの地図です↓ウップランド(Uppland)は右側、中央より少し下くらいにあります。
この3人、トリオとしては、「Gås-Anders(ゴース・アンダーシュ、1815-1896)」という昔の奏者が伝えた曲を中心に演奏しています。
そのGås-Andersが伝えた曲の中に「Maskin」という曲があることから、トリオ名を「Maskin」としているそうです。
※Gås-Andersについては過去のブログに少し書いています→Gås-Andersについて
「Maskin」は「マフィーン」と読みます。「ski(フィ)」の発音が少し特殊なのですが、カタカナで書くと「マフィーン」が一番近いかなと思います。
イントネーション的には、「機械」の「マシーン」のそのままです。「マシーン」の「シ」の部分を「フィ」に置き換えた感じです。一応ネット辞書の発音がこちらのページで聴けます(スピーカー部分をクリックしてください)→Synonymer.seの「maskin」のページ
(単語の意味も、「machine」の意味があります)
そして、このコンサートは「Boda Hembygdsförening」という所(機関)が主催しています。
コロナ以前は普通にコンサートをしていたのだと思いますが、コロナをきっかけにライブ配信のコンサートを行うようになったそうです。
2020年から配信コンサートの動画をいくつもアップされています。
Boda HembygdsföreningのYouTubeチャンネル
ちなみに、Boda(ボーダ)は地名で、ダーラナ地方にある地域です。伝統音楽が盛んな場所の一つです。
動画
では、早速動画を見ていきたいと思います。
このコンサートは無観客で行ったようなので、お客さんのリアクションが入っていないのは少し残念ですが、本人達のリアクションも見ながら訳していきます。
(Gunnar Brandinによる最初の挨拶、~0:23)
Boda Hembygdsföreningへようこそ。
月曜夜のシリーズとして、今夜演奏するのはMaskinというトリオです。
MaskinのメンバーはErika Lindgren Liljenstolpe、Robert Larsson、そしてOlov Johanssonです。
春のコンサートシリーズと同様、今回もLive配信を行います。
Boda Liveへ、ようこそ。
以降、「※」は私の注釈で、数字のリンクはYouTubeの該当箇所になります。クリックすると別ウィンドウで開きます。
①0:28~ Glöggmarschen(グルッグマルシェン)ーホットワインの行進曲
(MCは2:40~)
(Olov)さあ、Erika、Robert、こうしてここで演奏できるのはとても楽しいね!(他の2人も同意)
(※コロナの影響でコンサートができるか全くわからない状況だったので、こう言っているのだと思います)
そして、皆さんがこうしてここで聴いてくださるのは本当に素晴らしいことです。
こういう状況でここに座って、ライブ配信で演奏するのは、私たちにとっても特別なことです。
最初は普通に小屋(logen※)で演奏するものだと思っていましたから。
(※logenは伝統音楽のコンサートやダンスの会場としてよく使われるような、大きい納屋(広々とした小屋)のようなものです)
(Erika)ここもほとんど同じように素晴らしいですよね。
(Olov)そうですね。そして、コンサートを行えるように調整して企画してくださった、Gunnarやすべてのスタッフにとても感謝します。コンサートができて私たちはとても嬉しいです。
私たちが最初に演奏したのは、Gås-Andersが伝えたmarsch(マルシュ、行進曲)です。
Gås-Andersは私たちと同じウップランド地方の奏者で、ビョルクリンゲ(Björklinge)の人です。
演奏したのはGlöggmarsch(グルッグマルフ/グルッグマルシュ)です。この曲は、季節的にははずれているかもしれませんが(※)、素晴らしい曲だと私たちは思っています。
(※「glögg(グルッグ)」はクリスマスの時期に飲む甘いホットワインです。日本でもIKEAなどで販売しています。「glöggmarsch」はglöggを振舞う際に演奏される行進曲のことです)
(ここでErikaがOlovに対してちらっとつぶやいているのはよく聞こえませんが、「一足早いクリスマスだね」みたいなことを言っています)
(Erika)Gås-Anders、彼はAnders Ljungqvistという名前ですが、ウップランド地方の偉大な演奏家の一人で、とてもたくさんの曲を伝えました。
彼についての記録を読むのはとてもおもしろいと私は思っています。
というのも、どうやら彼は、非常にエネルギッシュに演奏をしていたそうなんです。
彼はウップランド地方をはじめ、様々な場所の結婚式で演奏をしていて、夜通し演奏することができたと言われています。
しかもテーブルやベンチの上で、飛び跳ねながら。
素晴らしいエネルギーを持っていた人なんだな、と思っています。
それは、彼の伝えた曲の中からも聴くことができます。
彼の伝承曲はとても…“power(英語で)”を感じます(笑い)。すごいエネルギーです。
ですので、続いてもGås-Andersの曲を演奏します。ワルツです。
「Gammal Ljungqvistervals nr.1(Gås-Anders伝承のワルツ、1番)」です。
参考までに、Gås-Andersの出身地「Björklinge」のウップランド地方の中での位置はこのようになっています↓左中央あたりです。
この地図は私が書いたのですが、「伝統音楽でよく聞くウップランド地方の地域名をまとめて載せた地図」になっています。
②(4:31~)「Gammal Ljungqvistervals nr.1」(Gås-Anders伝承のワルツ、1番)
(曲を弾く前に、冒頭部を弾いて「あ、そっちか」と言ってから弾き始めました)
今回の訳はここまでとして、続きは明日以降に載せます。
以上、2020年の「Maskin」の配信コンサートの日本語訳①を載せました。
私が勝手につけている訳になりますので、間違っていたらすみません。
何かあれば修正しますが、参考程度にご覧いただき、コンサートを楽しんでいただければと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。