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Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳②

/ ニッケルハルパ奏者

土曜日のブログに引き続き、アコーディオンとニッケルハルパのデュオ「Duo Cavez / Paulson」のコンサートの配信動画の日本語訳②です。

①はこちらです→Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳①

前回は、「Duo Cavez / Paulson」の紹介、コンサート会場「Bror Hjorths Hus」の紹介と、コンサートの冒頭部でJosefinaが紹介しているアルバムの内容(お二人が今度出す予定のアルバムのコンセプトなど)について訳しました。

二人とも「ミュージシャン」であり「母親」だということで、新しいアルバムも「子守唄」を意味するタイトルになっているそうです。

それを踏まえたうえで、早速2曲目~見ていきたいと思います。

(訳は、私なりにつけているものなので、間違っていたらすみません)

動画

前回の終わり、4:21~の再生位置にしてあります。

②2曲目(4:21~)Sophie作曲の5拍子のワルツ(「Tourbilon d’automne」)

(8:40~の解説)

さて、今日私たちが皆さんに向けて演奏するのは、私たちが作った曲、新しく作った曲たちです。

新しく作った曲ではありますが、どれもある種の伝統的なスタイルを持ち合わせています。

私たちは二人とも、それぞれ、別の世界に“取り囲まれて(insnöad)”いますから(=それぞれが自身のルーツの伝統音楽の世界に魅せられている)。

たった今お聴きいただきました曲は、Sophieの曲で、どなたか気づいたかどうかわかりませんが、ワルツです。しかも5拍子の。

おそらく、演奏するよりも踊る方が難しいでしょう(笑いが起きる)。私たちスウェーデンでは、3拍子のワルツが普通ですから。

さあ、5拍子のワルツという挑戦的な曲に身を投じた後で、今度は3拍子のポルスカという安心に身をゆだねたいと思います。

(マイクがスタンドにはまらないので)マイク、床に置いても大丈夫でしょうか?そうすれば、コンサートが少し短くなりますから(笑いが起きる)

※スウェーデンではワルツと言えば3拍子です。5拍子のワルツというのはスウェーデンでは一般的ではないため、「5拍子のワルツ」を「挑戦的」と言っています。ワルツに限らず、5拍子の曲自体がスウェーデンではあまり一般的ではないので、変拍子的にとらえられていると思います。

また、ポルスカはスウェーデンの伝統音楽で最もポピュラーなタイプの曲なので「安心」という風に言っています。ポルスカは3拍子で、曲にもよりますが、基本的に1拍目と3拍目で足踏みをして演奏します。

③3曲目(9:52~)「Dunkla polskor」(おそらくJosefina作曲)

※時間のリンク↑はクリックすると別ウィンドウでYouTubeが出ます。

(14:40~)

(※Sophieのフランス語はわからないので飛ばします。おそらく「フランス語がわかる人はいませんか?」みたいなことだと思いますが)

皆さんがわかるように、英語で話しますね。

次の曲はフランスのダンスにインスピレーションを受けて作ったものです。私たち、フォークバンドをやっている間にダンス(の演奏?)をしました。これはJosefinaにあてて作った曲です。

(※「バンド」のあたりが上手く聴き取れなくてすみません)

④4曲目(15:28~)Josefinaにあてて作った、フランスのダンスの曲「Ronde du printemps – Danse de l’été」(2曲セット、Sophie作曲)

(20:10~)

ありがとうございます。

さて、おそらく疑問に思う人もいるでしょう。「お互いにそんなに遠くに住んでいるのに、どうやって練習するの?」と。

(※Josefinaはスウェーデン、Sophieはフランスに住んでいます)

レパートリーはどうやって合わせるのか、それも「新しく作った曲」を最終的に一緒に演奏するなんて、と。

もちろん、まずは会う前に音楽(データ)を送りあいます。そして、たくさん聴きこんで、アイディアを練ります。

今お聴きいただきました曲は、私にあててSophieが書いてくれた曲であり、とっても素晴らしい曲です。私自身、とってもたくさん聴きました。子どもと一緒に、自宅のキッチンで。

そして最終的にニッケルハルパで練習し始めて、気づいたんです。

これ、めちゃくちゃ難しいキー(曲のキー、調)だということに(笑いが起きる)。おそらくニッケルハルパで弾くのはほぼ不可能な。

で、Sophieに連絡しました。「とてもきれいな曲!ただ、もしよければ、キーを変えても良い?」と。

それからしばらく時間が経ち、返信は無かったのですが…。ある日突然Sophieから返信がきました。

「だめ」と。(笑いが起きる)

「この曲はこのキーでとてもきれいに響くから、このキーでなくてはだめなの」と。

それで、私も理解(同意)しました。たとえニッケルハルパであっても(難しいキーであっても)、そのキーで弾きたい、と。だってこんなに美しく響くから、と。

そんなことがありました。

ーーーーーー

さて、続いての曲は、ダンス曲のレパートリーというよりも、「gånglåt(ゴングロート=歩く時の曲)」という感じの曲です。タイトルは「insnöad(雪に閉じ込められる)」。

スウェーデンでは雪がたくさん降るので、「insnöad」というのは時々起こりますね。雪に閉じ込められて、ドアの外に出られなくなる(ドアが開けられなくなる)ことです。

ただし、この曲の場合、「insnöad」は「いつの間にかある考えや情熱の中に自分がいることに気がつくこと」「その何かに、すっかりと周りを取り囲まれていること」を指しています。

私たちの場合、それは音楽です。

音楽はしばしば魔法のようです。ドアの外に出られなくて、(音楽に)周りを取り囲まれてしまうことも起きます。

私はこの「insnöad」という言葉が大好きです。

たとえばフランスなどのような、他の場所(=雪があまりたくさん降らない場所)でこの言葉をどうやって説明しようか、考えるのはおもしろいです(笑いが起きる)。皆が皆「insnöad」(雪に閉じ込められる)を経験しているわけではありませんから。

※「gånglåt(ゴングロート)」はウォーキング・チューンとも呼ばれますが、少しゆったりした行進曲、リラックスした行進曲のような感じで、歩きながら演奏される2拍子の曲です。

⑤(22:26~)「Insnöad」(Josefina作曲)

この曲の後(26:15~)、拍手を入れずにそのまま次の曲に続きます。

続きはまた明日書きます。


今回は、「Duo Cavez / Paulson」のコンサートの日本語訳②を書きました。

曲の背景が少しわかると、聴いた時の感じ方というのがまた変わってきて、おもしろいかなと思います。

ニッケルハルパとアコーディオンの音色の合わさり方、二人がそれぞれ作った曲の多彩であたたかい雰囲気、そして二人が一緒に演奏している時の様子(samspel)など、見ていて楽しいポイントがたくさんあるコンサートで、私も訳していて楽しいです。

お読みいただき、ありがとうございました。