前回まで、Rena RamaとRoger Tallrothのコンサートを和訳してきました。
Rena Rama & Roger Tallroth(Boda, 2021)のコンサートの和訳①
今回からは、2020年8月13日に行われた、Anna Lindblad & Anders Löfbergのコンサートを訳していきます。
Anna Lindblad & Anders Löfberg
Anna Lindblad(アンナ・リンドブラード)はフィドルの奏者、そしてAnders Löfberg(アンダーシュ・ルーフベリィ)はチェロやフィドルの奏者です。
それぞれ、様々なバンドで活躍されています↓
・Annaの参加しているバンドー Fru Skagerrak、Lyy、Folk All-in Band など
・Andersの参加しているバンドー Nordic、Majorstuen,、Emilia Amper Bandなど
今回のコンサートは、このお二人によるデュオの演奏になります。楽器は、5弦フィドルやチェロなど、色々と使うみたいです。
以下、Boda Hembygdsföreningによる紹介から抜粋しながら書きました。
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AnnaとAndersは、それぞれに子どもの頃から伝統音楽に親しんできました。
彼らがはじめて出会ったのは18年前、ストックホルムの音大にて。それ以来、様々なプロジェクトで一緒に演奏をしてきました。
Västergötland(ヴェステルヨートランド地方)やSmåland(スモーランド地方)の伝統曲をレパートリーとして持ちながら、オリジナル曲もまた演奏します。
古さと新しさをあわせ持つ2人の演奏は、5弦フィドルとチェロによる響きの世界へと聴く人を誘うでしょう。
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ということです。
VästergötlandやSmålandの曲は、今までの和訳にはあまり出てこなかったと思うので、とても楽しみです。
ちなみに地図で言うとこちらです↓どちらも下の方にあります。お隣同士の地方で、2つ合わせると結構広いですね。
また、コンサートではÖstergötland(ウステルヨートランド地方)の曲も少し出てきます。この地方はSmålandの上、Västergötlandの右側にあります。「Väster=西」「Öster=東」の意味があります。(ちなみに、西(Väster)は「左(Vänster)」と似ている単語で、実際に地図上でも左にあるので、その関連で単語を覚えると良いよと言われました)
配信の会場は前回と同じくBodaですが、2020年の開催なので無観客です。
また建物も、お客さんが入る時のライブとは別の(配信用の)場所からになっています。Maskinのライブと同じ場所です→「Maskin」のコンサート日本語訳①
では、早速見ていきます。
動画
「※」は私の注釈です。
Gunnar:Boda Hembygdsföreningへ、そして私たちのコンサートシリーズ「Bodaの月曜日の夜」へ、ようこそ。
いつも通り、すべてのコンサートを配信でお届けします(※コロナ禍の特別仕様)。
今夜はAnna LindbladとAnders Löfbergの演奏です。
Boda Liveへようこそ。
①(0:24~)Polska från Ornunga(オーヌンガで伝わるポルスカ), Västergötland
(4:09~)
Anders:画面の向こうの皆さん、こんにちは!
私Anders LöfbergとAnna Lindbladによるコンサートへようこそ。
Boda Hembygdsföreningのおかげで、今日こうして招いていただきました。
演奏させていただき、ありがとうございます。
こちらの団体への寄付をしていただくことができますので、もしも「寄付してもいいよ」という方は、おそらく画面にSwish(※スウェーデンの振込。スマホの番号で即時に振り込める)の番号が出ていると思いますから、そちらにぜひ、お願いいたします。
今夜私たちが演奏するのは、私たちの音楽的な故郷で伝わる曲が中心になります。
最初に演奏しました曲は、「Polska från Ornunga(オーヌンガで伝わるポルスカ)」、Annaの故郷の曲です。
次の曲はSlängpolska(スレングポルスカ)です。
Östergötland(ウステルヨートランド地方)のÖstra Ryd(ウストラ・リード)で伝わっている曲です。
どうぞお楽しみください。
Anna:そして最初にご挨拶をしたいと思います。
(ここから英語です)
配信をご覧の世界の皆さん、ようこそ。
私たちはBoda(ボーダ)というスウェーデンの町(スウェーデンの心臓部)から配信をしています。
スウェーデンの伝統曲、主にVästergötlandとSmålandの曲を演奏します。
このコンサートを主催してくださっているBoda Hembygdsföreningへ、もしも寄付をお考えの方がいらっしゃいましたら、PayPalでお送りいただくことができます。
詳しくはチャット機能でお訊ねください。
※OrnungaはVästergötlandの地名です→Wikipediaのページ(スウェーデン語)
※Östra RydーWikipediaのページ(Östra Ryds socken、スウェーデン語)
②(5:53~)Slängpolska från Östra Ryd(ウストラ・リードで伝わるスレングポルスカ), Östergötland
(8:53~)
Anna:今夜は楽器を替えながら演奏していきます。
続いてAndersはチェロを演奏します。
彼はフィドルだけではなくてチェロを演奏しますので。
次の曲は「Vals från Seglora(セーグローラで伝わるワルツ)」です。再び、Västergötlandの曲です。
③(9:14~)Vals från Seglora(セーグローラで伝わるワルツ), Västergötland
※SegloraーWikipediaのページ(スウェーデン語)
④(12:22~)Polska efter Robert Johansson, från Härryda(ヘッリッダのローベルト・ヨーハンソン伝承のポルスカ), Västergötland
(15:55~)
Anna:そうです。
ちょっと水を飲みますね。
皆さんが楽しんでいらっしゃると良いなと思います。
私たちはどんどん次の曲にいってしまいますが、今の曲がなんだったのかお話ししたいと思います。
今演奏しました曲は、「Polska efter Robert Johansson, från Härryda(ヘッリッダのローベルト・ヨーハンソン伝承のポルスカ)」でした。
ですので、再び、私の出身地域(Västergötland)の曲でした。
次の曲は、今回のコンサートへの小さなオマージュのようなものになっています。
こうしてダーラナ地方まで来させていただいたことへの。
ここまで来るのには、車で8時間半くらいかかりました。
まあ、途中でLoppis(ロッピス※セカンドハンドショップ)などに寄り道もしたので、長い時間がかかったのは私たち自身のせいでもあるのですが。
で、ダーラナ地方への小さなオマージュとして、私たちはここ(ダーラナ地方)で伝わっている曲を1曲、選んで弾くことにしました。
とても美しいmarsch(マルシュ。行進曲)です。
その名も「Ovanlig marsch(普通ではない行進曲)」です。
⑤(16:50~)”Ovanlig marsch” efter Wilhelm Eriksson(「普通ではない行進曲」ヴィルヘルム・エーリクソン伝承), Dalarna
(続きは明日)
無観客の配信ライブは、拍手の音やお客さんの反応が無いのが残念なのですが(あればきっと盛り上がっているはずなので)、それでも、今回も知らなかった曲がたくさん聴けそうで嬉しいです。
AnnaもAndersもそれぞれのバンドなどではなんとなく知っていたのですが、個別にじっくり聴くのはほとんど初めてなので、楽しみです。
(曲の地方がいくつか出てくるので、曲名の後に地方名もわかる範囲で書いています)
今回のコンサートはMCが全体的に短めなので、和訳としてはサクサク進んでいきたいと思います。
明日の分もどうぞお楽しみに。
お読みいただき、ありがとうございました。