ここ数年、私は「放っておく」というスキルを身につけるべく、奮闘してきました。
今回はこのことについて書きます。
助けなきゃ、力を貸さなきゃ、の思いが強くてしんどかった
以前の私は、「人を助けなきゃ」「自分の力を貸さなきゃ」の思いがとても強くて、それでしんどい思いをしてきました。
困っている人を見たら無条件に助ける、みたいなね。
もちろん良いことではあるのですが、犠牲を払って、自分が辛い思いをしてやるのは、助けることとは違うんですよね。
抱え込んでしまう、背負い込んでしまう、それが癖になっていたんです。
かなり固定観念的に「そうしなきゃいけない」と思っていたみたいで、身体が無意識にそういう風に反応しちゃってたのもあります。
助けなきゃ悪いから、多少自分が犠牲になってでも助けなきゃ、って。
しかも、それが辛かったから、自分に助けを求めて頼ってくる人たちのことを、半分恨んでもいたんですよね。
放っておいても良いことがたくさんあった
そんな私ですが、その「助けなきゃ」っていうのが、実はわりと自分の思い込みだった、と、いつの頃からか気づくようになりました。
別に助けなくても相手は自分でなんとかするんです。
だから、私が助けなくても全然大丈夫だったんです。
むしろ、「放っておく」方が良かったんですよね。
自分の問題は自分でどうにかした方が良いですが、他人の問題は他人の問題なんです。
変に手出しすると、かえってトラブルになるし、相手にも良くないんですよね。
放っておく、ということが気軽にできる人になりたいな、と思いました。
放っておくのにもスキルと慣れが必要だ
ただ、放っておくのにも、かなりスキルが必要だと知りました。
最初は、放っておくことにすごく「後ろ髪をひかれる」感じがしたんです。
ムズムズ…本当に良いのかな…放っておいて良いのかな…様子見に行っちゃおうかな…ムズムズ…
みたいな(笑)
これはもう練習あるのみで、ちょっとした時、どうでもいいような時に、「放っておく」を選択し続けるようにしました。
(本当に放っておいちゃいけない時に放っておいたらダメですが笑)
最初は放っておくことにかなりの罪悪感がありましたが、だんだん慣れていって、私が放っておいても大丈夫なんだな、と、ほんの少しずつ実感できるようになってきました。
数年前の自分よりはだいぶ気軽に「放っておく」ことが選択できるようになった気がします。
それでも全然まだまだで、まだムズムズしてしまう時はたくさんあるので(笑)、これからも練習していきたいと思いますが。
助けなきゃ症候群の人達が周りにもたくさんいると気づいた
そんな風に、自分が「助けなきゃ症候群」から少しだけ離れてみたら、自分と同じ状況に陥っている人が周りにたくさんいることに気がつきました。
手出ししなくて良いところで、変に手出しして、それがかえってトラブルになっている。
そういう例が、身近にたくさんあったんですよね。
それを見て、「なるほど、私もこうなんだな」と思ったりしています。(偉そうですみません)
私も、完全にそこから抜けているわけではないので、人を見て学ぶことが多いです。
同時に、自分がそこから少し離れてみると、「あそこにはもう戻りたくないな」って思うんです。
助けなきゃ、抱えこまなきゃ、ってしている人を見るのが辛いし、自分もそこに引っ張られたくないので、そういう人とは距離を置こう、と思えるようになりました。
後ろめたさを感じる必要は全く無い
そんな自分に、後ろめたさを感じることが、無いわけではありません。
付き合いの悪い人だと思われているかもしれないし、協力してくれないと思われているかもしれません。
嫌われているかもしれません。
でも、私はもう、抱え込んでいる人たちを見るのが辛いんですよね。
それが当たり前な世界に身を置きたくないんです。
なので、嫌われても良いです。嫌ですけど、良いです(笑)
嫌われても良いから、そこから離れていた方が、自分にとって良いな、と思っています。
周りにどう思われても、しんどい方をもう選択しない勇気を持つ
周りがどう思うかは放っておいて、自分がしんどい方を、もう自分が選択しない、という勇気を持ちたいと思っています。
しんどい方に頑張るのではなくて、私は、人が楽しくなることがしたいので。
私がしんどい思いをして何かをやっていたら、それで人を楽しませることはできないと思いますから。
(技術を高めるためのしんどさは、全然別物なので)
頑張るのは良いけど、犠牲という意味でのしんどさは、もう選ばない自分でいたいです。
音楽は楽しいものなので。
楽しい音楽を、ずっと、楽しくやっていたいな、と思います。
ということで、犠牲としんどさとか、放っておくことについての話でした。
犠牲をしている人って、無意識に周りにも犠牲を強いているんです。
本人にはその自覚は無いかもしれませんが、「自分がこれだけ頑張っているんだから、お前もやれよ!協力しろよ!」っていうオーラを振りまいているんですよね。
私がそうでした。
そういう時って、周りにいる人も巻き込んで、皆でしんどくなってしまいます。
自分が犠牲をしないだけではなくて、自分に犠牲を強いるような提案をしてくる人にちゃんとNOが言えることも、大事だなと思っています。
相手の問題を相手に任せるというのは、相手を信頼することでもあるので。
信頼して、良い意味で放っておく、というのをこれからも練習していきたいと思います。