私がニッケルハルパを始めてから、日本でこの楽器やこの音楽をやっていくうえで感じる負の部分とかを、実は必死に周りに見せないようにしてきたところがありました。
でも、もういいかな、って最近思えるようになってきたんです。
別にあえて見せるというわけではないのですが(笑)、そこもひっくるめて、周りの人に頼るというか、一人で抱え込まないというか。オープンになっても良いというか。
そのうえで、この楽器の楽しさとかおもしろさを伝えていくことができたら良いな、と。
今回はこのことについて、書いてみます。
閉塞感を感じていた
私が感じている部分というのは、この前も書いたのですが、やっぱりこの楽器と音楽に関わる人数が日本だと少ないので、それによって感じる閉塞感とか、「皆仲良し」でいなくちゃいけないみたいな空気感とか、SNSとかで見張られている感覚だったりとか、集団同士の勢力図みたいなものとか、そういう感じですかね。
そういうのが、私はずっと窮屈で、ニッケルハルパでの留学を終えた後、東京にいるのが嫌で、地方の就職面接を受けたり、地方のシェアハウスにニッケルハルパを持って見学に行って一泊したり、ということをやったりしました(笑)
それも、「誰も自分を知らないところでニッケルハルパをただ楽しく弾きたい」と思ったからです。結局、物理的な問題(地方に行けば済むという問題)ではないことに気づきましたが。
で、前も繰り返して書いたのですが、これは誰かが悪いという話ではなくて、この楽器や音楽に関わっている人の数が少ないからしょうがないのかな、と思っている部分でもあります。
小さな集落みたいな感じでしょうか。私は東京で生まれ育っているので、その辺の感覚がよくわかっていないかもしれませんが。
一番の問題は、私がそれを「隠そう」としていたこと
でも一番つらかったのは、この感覚を「隠さなきゃ」と思っていたことだと思います。
私が感じているこの感情を、なんとなく人に「見せてはいけない」と思って必死だったんですよね。
特に、ニッケルハルパに興味を持ってくれている人とか、新しく始めた人とか。外の人に対して。
がっかりさせたくないし、自分のせいで楽器に対してネガティブな感情を植え付けたくないと思っていたので、見られないように、見つからないようにしなくちゃ!と思っていました。
でも同時に、その「隠さなきゃ」がすごくつらくて。
窮屈さを全部自分の中で完結させて、納得して、のみこまなきゃ、って思うのですが、どうしてものみこめないし納得できないから、いざ演奏活動で前に出ようとする時にすごく足を引っ張られて、頭を押さえつけられている感覚になっていたんですね。
楽器に対するポジティブな気持ちを相殺する勢いで、その窮屈さが足を引っ張ってきている感覚でした。
子泣きじじいが常に乗っかってきているみたいな(笑)重いですよね。乗られたこと無いのでわからないですけど(笑)
もう隠さなくても良いし、一人で抱え込もうとしなくて良いと思った
で、別にそういう部分をあえて見せに行く必要は無いし、私も特に何かを暴露しようとは思っていませんが(笑)、「隠そう」としなくても良いのかな、って最近思えたんですよね。
というか、もう隠そうとするのは無理で、限界だな、って。
内面と外面があまりにもかけ離れた状態で前に進んでいくのって、無理なんですね。
今まで、自分で感じているものを全部自分の中だけで処理しようとしてきたけど、もう周りの人を頼っても良いし、そこのところ、オープンになっても良いのかな、と。
レッスンにずっと通ってくださっている方とか、演奏を聞きにいらしてくださる方とか、お会いする機会は少なくてもいつも応援してくださる方とか、このブログを読んでくださる方とか、そういう人たちが離れていくことを私は怖れていたんですけど、
その人たちのことを私はもう信じて良い、というか、すでに信じているので、もう見せても大丈夫だ、って思いました。
「信じる」というのは、そういう人たちが「離れていかないだろう」と思うということではなくて、もっと根本的に、人として、こういう話をしても大丈夫だ、と思えたというか。
色々な人が色々な人生経験をされていると思うんですけど、こういう話を「ああ、わかる」って思うような経験って、したことのある人が多いんじゃないかな、と思って。
だから、もう一人で抱え込まなくてもいいや、って思ったんですね。
そのうえで、この楽器や音楽のおもしろさを見つめ続けたい、伝えていきたい
そのうえで、私はやっぱりこの楽器も音楽もおもしろいし好きだし続けていきたいと思っているし、その魅力を伝えていけたら良いなと思っているんですよね。
業界に対する窮屈さや負の部分を自分で抱え込むのではなくて、そこを開いたうえで、あらためて自分はこの楽器や音楽自体の魅力に目を向け続けていたいし、そこから得られるエネルギーとか、喜びとか、楽しさとか、そっちにフォーカスしていきたいんですね。
楽器と関わることで得られるものって本当にたくさんあるし、自分を知ることにもなるので、そこで得たものや学んだものを、他の要素でつぶしてしまいたくないなと思います。
そのために、今回もこうしてブログに書かせていただきました。私のセラピー的な意味も込めて。
発信すると、自分が抱え込んでいたタブーが1つ1つ消えていくので、私自身が楽になっていくのを感じています。
また、私と同じようなことを考えている人は確実にいるはずなので、私がこうして正直に書くことで、その人が楽になる場合もあるんじゃないかと思っています。
最終的に、これは自分の「感じ方」の問題なので、私がこれを突き抜けて楽になれたら、他の人や状況が一切何も変わらなくても、私自身がすごく自由になれると思いますし、
それが自分の演奏や、演奏に関わる態度に必ず変化としてあらわれてくると思うので、そんな自分がどんな音を出すのか、何をするのか、私自身がとても楽しみにしています。
ニッケルハルパも、スウェーデンの音楽も、楽しんでいきたいです!