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姿勢を良くしようとしてやっていることが、かえって身体の不調を招くことに気づいた話と、その対策法

/ ニッケルハルパ奏者

今日は、身体のことについて書きます。

最近気づいたのですが、私は、猫背や巻き肩、その他肩関連のトラブルを改善しようとするために、無意識に「肩を後ろに引く癖」や「脇をしめる癖」があったようです。

また、それらの癖をはじめとして、「自分の身体を良くしよう」と思って取り入れていたつもりの姿勢が、かえって身体の不調をもたらす原因になっていたことにも気がつきました。

それらの癖の具体的な話と、その対策法について、書いていきます。

癖①肩を引きすぎる癖

「肩を引きすぎる」と言っているのは、私の場合、

「肩を後ろに引いた状態で固定している状態」

のことを指しています。

この状態だと、肩を固定しているので、肩周辺や首後ろの筋肉が常に緊張しています。

よく、猫背の人は首が前に出たりしがちだと思いますが、そんな「首が前に出る状態」を防ぐために、首を後ろに引いて、そのまま肩も後ろに引いている感じです。

この姿勢をとることが、私の癖になっていました。

肩甲骨ー可動域が広くて自由度が高い

肩甲骨について少しだけふれます。

肩甲骨のことは以前も少し解説しましたが(以前の記事)、肩甲骨は周りが筋肉によって支えられている分、可動域が非常に大きく、自由度が高く、立体的に動くのが特徴的です。

肩甲骨の動きは、肋骨に沿ってスライドするような動きになります。

自分の身体の肩甲骨を動かしてみると「動き」がよくわかると思うのですが、これが結構難しいというか、イメージしにくい動きをしています。

イメージしにくいということは、普段自分が想定している肩甲骨の動きと、実際の肩甲骨の動きの相違が起きやすい、ということでもあります。

しかもそんな肩甲骨を、私は無意識に、後ろに引き気味の状態で固定していたようです。

(自分ではそれが「普通」の状態だと思っていたので、気がついていませんでした)

「本来は自由に動けるはずのものを自分で固定してしまうのは、それだけでも身体に悪そうだ」というのはご想像がつくかと思います。

姿勢改善のため(のつもりだった)

冒頭でも書きましたが、肩を引きすぎたのは、「猫背や巻き肩を改善しようとした結果」かなと思っています。

姿勢を良くしようとして、良かれと思って(ほとんど無意識に)やっていたことでした。

しかし、実際には、その状態がかえって悪い状態を作っていたのかもしれません。

また、肩を引きすぎる癖以外にも、別の癖に気がつきました。

癖②腕を前に出す際、脇をしめすぎる癖

「腕を前に出す」時というのは、基本的には脇をしめてまっすぐに伸ばしますね。

たとえば、「前ならえ」の体勢だと、まさにそんな伸ばし方です。

しかし、腕を前に出す時というのは、必ずしも「脇をしっかりとしめ、まっすぐに腕を伸ばす」だけではないことに気がつきました。

たとえば、PCに向かっている時や、楽器を弾いている時など、「両手を身体の前で合わせる」ような動きや体勢をとっている場合、

脇が少しひらいて、身体の前で両手が自然に合わさるような姿勢の方が、身体にとって楽な状態になる、ということです。

PCに向かう時の場合

私が思っていた「PCに向かう理想的な姿勢」は、肘をぎゅっと身体の脇にくっつけて、脇をしめて、その状態から前腕(肘から手まで)をPCに向かってまっすぐに伸ばす、というものでした。

しかし、これでは脇をしめすぎて、脇下や肩の上部に余計な力が入ってしまうし、腕も自由に動かないことに気がつきました。

肘を身体の横に置くのだとしても、必ずしも脇を「ぎゅっとしめる」必要はなく、適度にひらくというか、力が抜けていることで、肘から先(前腕)や手も必要に応じて動かしやすくなります。

楽器の場合

また、楽器の場合も同様です。

私はいつも楽器を弾いていると左肩がこることが多かったのですが、左腕もまた、脇をしめてしまい、肩も後ろへ引き気味になっていました。

楽器を弾く時の左腕のイメージとして、私は「左の脇をしめ、肘の位置をある程度固定したうえで、肘から先を自由に動かしてキーにふれる」ものだと思っていたので、上記のような体勢になっていたのだと思います。

しかし、実際には肘周辺は固定する必要は無く、多少の遊びがあり、弾いている最中にも動かすことができます。

「肘を固定し、肘から先だけを動かす」というのではなく、肘自体も手や指の動きに応じて多少は動く方が、より自然に構えることができる、と思いました。

(肘自体が動いている場合は、肘の動きだけではなく、「肩関節の動き」が中心になります)

特に高音部を弾く際、肘を「脇にくっつけたまま」手を移動させようとすると、脇や腕(上腕)が身体側にぎゅっと押し付けられる状態になってしまいます。

そうではなくて、手が高音部側(右側)に移動するのにしたがって、肘自体は反対方向、少し外側(左側)にいき、左肘→手首の角度が、外→内(左→右)へ向かうような角度になる方が、高音部がより弾きやすくなることに気がつきました。

また、こうすると右腕と左腕が自然と「手先で近づく」ような体勢になるので、両手の連携がとりやすくなる(身体の前で両手が自然に寄ったり離れたり、の動きになる)のではないか、と思います。

「脇をひらきすぎてしまう→しめれば良い」という発想が、新しい不調を作る

そしてこの「脇をしめすぎてしまう癖」ですが、

これも実は「私は脇をひらきすぎてしまう」という思い込みがもともと私の中にあったために、その癖を直そうとして、無意識にやっていたことでした。

・脇をひらきすぎてしまうから、しめなくてはいけない

・猫背になり、首や肩が前に出てしまうから、後ろに引かなくてはいけない

こういう発想が、新たな身体の不調(新しい悪い癖)を作っていたようです。

では、そういう発想の代わりに、いったいどう考えていったらよいのでしょうか?

別のアプローチ…原因に直接働きかける

身体のことを学んだ際に、よく

「猫背だから胸を張るとか、巻き肩だから肩を引けば良いという問題ではなく、原因となっている筋肉や関節そのものにアプローチしてください」

と教わりました。

アプローチの仕方

そのアプローチの仕方ですが、非常にシンプルなものなので、ぜひ参考にしていただければと思います。

まず、身体の不調がある場合、原因としては以下の2種類に分類できるそうです。

  1. 「やらなくていいことをやっている」場合
  2. 「働くべきところが働いていない(働くべき筋肉が働いていない)」場合

非常に簡単な分類ですね。

そしてこれらへの対策(アプローチ)が以下のものになります。

1の「やらなくていいことをやっている」場合は、それをやめること。

2の「働くべきところが働いていない」場合はそこに働きかけること。

この2つの観点で、シンプルに対策していくのが一番効果的だそうです。

今回の私の例でいえば、肩を引きすぎる癖と、脇をしめすぎる癖でしたので、

  • 「肩を引きすぎる」ことをやめる
  • 「脇をしめすぎる」ことをやめる

という風にアプローチするのが良いようです。

具体的には、やめるようと意識する以外にも、その周辺部の筋肉をゆるめることで、こういった癖を少しずつ時間をかけて、解消していくことができます。

このアプローチ方法、シンプルすぎて、あまりイメージがわかないかもしれません。

が、この「直接働きかける」というのが実は結構難しく、つい私のように

「肩が前に出る→引く」「脇がひらく→しめる」

という発想をしてしまうことが多いです。

これだと新しい悪い癖を生み出してしまうかもしれないので、上記のアプローチ方法をぜひ試してみてください。

姿勢は考えない

また、この記事ではわかりやすいように「姿勢」のことを色々と書いていますが、本来は姿勢のこともあまり考えない方が良いそうです。

姿勢を考えると、どうしても「固定されたもの」をイメージしてしまうからです。

身体にとっては、「固定された状態」を作ることよりも、「必要な動きがしやすい状態」を目指す方が良いです。

「こういう姿勢にしよう」とするのではなく、今の自分が必要としている動きをイメージして、その動きがしやすいような身体の状態、身体の使い方を意識します。

身体のことは、文字で書くのは難しいのですが、また気がついたことがあれば書いていきたいと思います。


以上、姿勢を良くしようとしてやっていることが、かえって身体の不調を招くと気づいた話と、そんな時にとるべきアプローチについて、書きました。

ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

お読みいただき、ありがとうございました。