Anna Ekborgのソロコンサートの和訳②です。
①はこちら→Anna Ekborg i Bror Hjorths ateljé(2022.1)コンサート和訳①
動画
前回の続きから(12:15~)の再生です。※は私の注釈です。
ありがとうございます。
では、次にOrsa(オッシャ※ダーラナ地方の地名)で伝わるポルスカを続けたいと思います。
今夜演奏する曲の“変わり種”として。
演奏するのは私がとても好きな曲で、Minu Per伝承のBrudpolska(結婚式のポルスカ)です。
私はGössa Anders(ユッサ・アンダーシュ※昔の演奏家)の録音からこの曲を学びました。
というか、実際には複数の録音から学んだと言えます。
私はFolkmusikens hus(※ダーラナ地方のRättvikにある伝統音楽の情報センター的な所)のアーカイブを掘り起こすのがとてもおもしろいと思っているのですが、そこでよく、1つの曲に関するすべての録音を聴いてみる、ということをしています。
演奏家が曲にどのような変化を持たせているのか、また、異なる演奏家によって同じ曲がどういう風に(異なって)演奏されているのかを聴くのです。
そこで、この曲がおもしろいなと思いました。
Gössa Andersはこの曲を弾いているどの録音でも、まあだいたい同じように弾いています。
ただし、1つの録音をのぞいて。
その録音では、彼はBパートを変えていました。
私はこの曲を聞いて育ちましたから、本当にたくさんこの曲が演奏されているのを耳にしてきましたが、Gössa Andersがその録音で演奏していたような弾き方をしている人というのは、見た(聞いた)ことが無かったのです。
ですので、おもしろいと思いました。
また、こういった曲は、特にダンスの伴奏で演奏するのがおもしろいと思います。
踊っていた人たちが床の上で少しとどまって、考えるんですよね。「あれ?(今何が起きているの?)」と。その「ちょっとした余分なフレーズ」を私が弾いている時に。
(※聞き慣れているはずの曲にちょっと違うフレーズが混じるので、踊っている人たちがちょっと戸惑うのがおもしろい、の意味。これは他の演奏家も同じようなことを言っているのを聞いたことがあります)
では、「Brudpolska efter Minu Per(ミーヌ・ペール伝承の結婚式のポルスカ)」です。
※Folkmusikens husのサイト(英語)のリンク→https://folkmusikenshus.se/in-english/
③(13:27~)Brudpolska efter Minu Per(ミーヌ・ペール伝承の結婚式のポルスカ)
※実際に変わった弾き方をしているのはどこか?ですが、全部で3周弾いていて、1周目のB(1回目・2回目)と、3周目のB1(Bの1回目だけ)はノーマルに弾いていて、2周目のB(1回目・2回目)と3周目のB2(Bの2回目だけ)は違うバージョンで弾いていると思います。
※参考:Gössa Andersのノーマルなバージョンの方の演奏のYouTube→https://youtu.be/xd7nBFvc85U
(15:26~)
(このバージョンの演奏を)聞いたことがある方はいらっしゃいますか?
(お客さんの誰かが頷く)
このバージョンで?
(お客さんが「いや、正確にそうかはわからない、曲は聞いたことがあるけれど」と言う)
そうなんですね、おもしろいです。
小さな変わり種としての曲でした。
では、ここでまたRättvik(レットヴィーク)の曲に戻ります。
次に演奏するのは「Polska efter Bud Olov(ブード・オーロヴ伝承のポルスカ)」。
そして「Polska efter Höök Olle(フーク・オッレ伝承のポルスカ)」です。(※Höökの発音はフークとヘークの中間くらい)
(Höök Olle伝承のポルスカの方は)私は「Nylanders polska(ニーランデルのポルスカ)」と呼んでいます。私はこの曲をPer Gudmundson(ペール・ギュードムンドソン※演奏家)に教わりましたが、彼はこの曲をJohan Nylander(ヨーワン・ニーランデル※演奏家)に教わったそうで、(Johanは)Höök Olleの記録の中からこの曲を見つけたそうです。
では、「Polska efter Bud Olov」と「Nylanders polska」です。
※参考:Per GudmundsonのWikipediaページ(スウェーデン語)
④(16:06~)Polska efter Bud Olov(ブード・オーロヴ伝承のポルスカ)& “Nylanders polska”(ニーランデルのポルスカ)(Polska efter Höök Olle)
(続きはまた明日)
ダーラナ地方の演奏家や曲のことは、私はほとんど知らないので(名前だけ聞いたことがあるくらいで、実質的にはほとんど知らない)、その土地で生まれ育った人から、こうして話をまじえながら聞けるのはとても嬉しいです。
ちょっとずつ、じっくり聴きたいなと思っています。
続きもお楽しみに。
お読みいただき、ありがとうございました。