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Klunkelåttenの動画と曲の解説(構成・キーなど)

/ ニッケルハルパ奏者

8月に、ノルウェーの伝統楽器ハーディングフェーレの演奏家、エリック(Eric Gjovaag)さんとライブをしたのですが、その時のリハ動画を昨日公開しました。

今回は、動画で弾いている曲の構成やキーなどを簡単にご紹介していきたいと思います。

曲を覚えたいという方に、ぜひ参考にしていただけましたら幸いです。

◎動画です↓

曲ーKlunkelåtten

ノルウェーの曲で、「クルンケロッテン(Klunkelåtten)」です。

「クルンケ(Klunke)/クルンク」は、途中でエリックさんが何度かやっている、左手でのピチカート(指で弦をはじくように弾くこと)のことで、「ロッテン(låtten)」は「曲」の意味だそうです。

ノルウェーのHallingdal(ハリングダールとか、ハリンダール等と読むみたいです。ノルウェーの地域名はよくわかっていないので、カタカナ表記が違っていましたらすみません)に伝わる、スプリンガル(Springar)というタイプの曲(3拍子)です。

Rydvall/Mjelvaの演奏を参考に

ハーディングフェーレとニッケルハルパの組み合わせというと、スウェーデンのErik Rydvall(エリック・リードヴァル、ニッケルハルパ奏者)とノルウェーのOlav Mjelva(オーラヴ・ミエルヴァ、ハーディングフェーレ奏者)のデュオ、「Rydvall/Mjelva(リードヴァル・ミェルヴァ)」が有名です。

このKlunkelåttenも彼らが演奏している曲で、それを今回エリックさんが提案してくださって演奏することになりました。

(※エリックさんもErik Rydvallも、どちらもエリックさんになってしまってややこしいのですが、私が一緒に弾いているエリックさんのことをエリックさんと書いています)

…といっても、Rydvall/Mjelvaの演奏は素晴らしく洗練されていて、2人の音が混じりあい、どれがメロディでどれがハーモニーなのか全くわからず…つまり上手すぎて真似できなくて、良い意味で参考にはできない部分もあったので、私はまずエリックさんが弾いているメロディのバージョンを教わり、そこから自分達のバージョンを2人で一緒に作りました。

◎Rydvall/Mjelvaの演奏↓リズムの感じも、私たちの弾いているものと少し違うかと思います。

曲の構成・キーなど(簡単な解説)

曲については、ノルウェーの曲なので私はあまり詳しくはないのですが、私にできる範囲で構成など解説してみますね。

◎3パート構成

曲は【A・B・Cパート】の3パート構成です。

動画で言うと、
A×2:~0:14(~0:07がAパート1回分)
B×2:0:15~0:31(0:15~0:23がBパート1回分)
C×2:0:32~0:55(0:32~0:43がCパート1回分)
という感じです。

AパートとBパートはほぼ同じで、違うのは、【Bパートは冒頭に「クルンク」の部分(タン、タン、タンの3音、1小節)がある】こと。クルンクの部分以外はAパートと全く同じものが続くので、実質、Aパートを4回弾くような感じです。

(※ハーディングフェーレの曲は、パートを付け足したり、繰り返しの回数を変えたりということがあるそうなので、この曲も絶対的なものではないかもしれません)

◎動画での構成

私たちの演奏では、【まず曲を2周(「AABBCC」×2)】弾いた後、【1:52~2:14で間奏】が入り、その後【2:15~まるまる1周分】弾いて、【最後に終わりのフレーズ】が入って終了です。

(間奏の後(3周目)ですが、私は一旦ドローン(低音で伸ばす音)に行き、ハーモニーで入っているのはB1のクルンクの後からです)

全体の構成はエリックさんが考えてくださり、私はハーモニー(ハモリ)の方を考えました。動画を撮った時(リハ時点)にはまだ決めていなかった部分があるので、考えながら、微妙に変えながら弾いています。

(本番の動画も撮っていただき、そちらもとても良かったのですが、お客さんが映っているのでYouTubeにはこちらのリハ動画を載せることにしました)

◎曲のキー…Bメジャー

曲のキーですが、【Bメジャー(シ・ド♯・レ♯・ミ・ファ♯・ソ♯・ラ♯/B、C♯、D♯、E、F♯、G♯、A♯)】です。

(※私は今回初めて知ったのですが、ハーディングフェーレは、楽譜上の音と実音が1音違うようなので(=移調楽器というのでしょうか。ハーディングフェーレの楽譜上のA=実音のB、みたいな)、ハーディングフェーレの楽譜上ではAメジャーになっているかもしれません)

→ハーディングフェーレでは(弦のチューニング…トロル・チューニング)

ただ、エリックさんに教えてもらったところ、そもそもハーディングフェーレの場合は「曲のキー」で考えることは慣習としてはあまりなく、「弦のチューニングの組み合わせ」で曲を捉えるものなのだそうです。

そして、この曲の場合、チューニングの組み合わせが「トロル・チューニング」(トロルは北欧に伝わる怪物のような存在。三匹のやぎのがらがらどんの絵本や、トトロでさつきが話しているあれです)と呼ばれるチューニングになっており、ハーディングフェーレ的には、低い方からA・E・A・C♯みたいです。ただし、これも実音だとB・F♯・B・D♯になるのかなと思います。違っていたらすみません。自信は無いのですが書いていきますね。

ちなみに、スウェーデンで言うと、「ネッケンのチューニング」(Näckstämning。ネッケンはスウェーデンの精霊の名前。こちらもA・E・A・C♯、もしくは他にもいくつかの組み合わせある。こちらは移調がないので、実音のままの音)というのがあり、これがちょうどこのノルウェーのトロル・チューニングと同じような感じなのかな?と思っています。こちらも、私がフィドルを弾いたことが無いので曖昧な知識で書いておりますが…。

→ニッケルハルパでBメジャーの曲を弾くにあたって

Bメジャーの音階は、ニッケルハルパだと弾く機会がほとんど無いので、私にとっては少し未知の体験でもありましたが、ハーディングフェーレの曲としては一般的なチューニングの1つなのかなという印象です。実際、ハーディングフェーレで聴くととても美しい音階ですね。

私は普段、音やメロディを「ドレミ…」で記憶しているのですが、Bの音階だと、シャープが多すぎてドレミで考えるのが困難だということがわかりました。

(たとえば、私はレ♯をどうしてもミ♭と思ってしまうので)

そのため【キーの位置】と【指の感覚(間隔の感覚)】と【勘】で曲を覚えました。「この指とこの指はこのくらいの間隔だった気がする」「次の音はたぶんこのキーだろう、えいやっ」という感じで弾いています。なので、ドレミのどの音?と言われるとよくわからない部分がありますが、エリックさんと合わせた時に合うと、とても楽しいなと思いました。

そして、曲の最初の音は【レ♯(D♯)、ド♯(C♯)、ラ♯(A♯=つまりシ♭/B♭)、シ(B)…】から始まります。では、ぜひ弾いてみてください。


解説は以上です。

スウェーデンの曲だと、構成がわかりやすい(と私は思っている)ので、こういう解説のようなことは(レッスン以外では)飛ばしてしまうのですが、こういうこともたまに書いていくのも良いのかな、と今回思いました。

東京は週末は雨だそうですが、皆さまの地域はどうでしょうか。どうぞ、楽しい週末をお過ごしくださいませ。