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演奏準備~演奏当日に私がしていること

/ ニッケルハルパ奏者

演奏をするうえで私が大切に思っていることについて、先週書きました。

演奏で大切なこと:自分がその音楽を好きでいること

それとはまた全然違う内容になるのですが、今回は、演奏のお仕事などの準備~当日で私が実際にやっていることを具体的に書きたいと思います。

あまり役に立つ内容ではないかもしれませんが、書いておくと良いかなと思いました。

「ふーん」と思っていただけたら嬉しいです。

私は普段、こんなことをしています。

演奏の可否決定・演奏時間(日時)と出演料等の確認

①演奏の可否

演奏のお仕事は、人づてでいただくことが多いのですが、たまにHPのお問合せ欄からもいただきます。

私は、HPに書かないような個人的な演奏依頼のようなものは受けていないので、こちら↓のページに書かれているものがすべてです。

峰村茜HP「演奏情報」

あまりたくさんはお受けしていないので、ページをご覧いただくとすぐにおわかりかと思うのですが、依頼してくださる方や機関・イベント内容に、ある程度公共性や信頼性のあるものを中心にお受けしてきました。

…というか、たまたま、依頼してくださる方がそういう方ばかりだった、というのがありますが。

今まではほとんどありませんでしたが、依頼してくださる方の身元がよくわからなかったり、曖昧な点が多い場合はお引き受けするのが難しいかもしれません。信頼関係が築けない場合、演奏時間・出演料等の条件の食い違いや、最悪は出演料の未払いなどが発生する可能性があるかなと考えています。

また、イベントや催しの主旨と、私にできること(スウェーデンの伝統音楽をニッケルハルパで演奏し、スウェーデンの文化を楽しんでいただくこと)が合致しているかどうかも、お引き受けする際に考えています。

結果的に、国際的なイベント、文化的な催し、スウェーデンや北欧に特化したイベント、などに出演させていただくことが多いです。

あとは、その時々のご縁とスケジュールの都合で可能な限りは、お引き受けするようにしています。

演奏のお仕事をご依頼いただけることは、とてもありがたいことだと思っています。

②演奏時間と出演料を明確にし共有する

演奏にともなって、具体的に重要になるのは「演奏時間」と「出演料」です。

最初の段階でこちらを明確にし、依頼してくださる方との間で共有しておかないと、後でトラブルになる恐れがあります。

…と言いつつ、私自身、なかなかこれらの条件を明確にするのが苦手です。

また、イベントなどはギリギリまで詳細がわからない(主催者側で決定できない事情がある、バタバタしている、連絡が滞っている)ものも多く、1週間前くらいまで、自分の演奏時間がわからない時も結構よくあります。

さらに、担当してくださる方が複数であったり、どなたかのご紹介での演奏だと、お互いに演奏条件やイメージが食い違っていて、急にイメージと違うものを提案していただく時もあります。

そういう場合、冷静に先方と連絡をとりあい、情報やイメージの共有をすることが大切だと思います。

今までの経験上、私はそういう食い違いがあるとまず「えっ」とびっくりしてしまうことが多く、混乱し、ちょっと腹を立てたりしながらやりとりをし(すみません)、最終的には丸くおさまるけどなんか心の中はもやもやする…となることが多かったので、この自分のリアクションの癖は、変えていきたいと思っています。

混乱したり腹を立てたり、もやもやする必要は無い、ただ話し合えば大丈夫だ、と感じています。

また、以前は出演料の出ないお仕事(通称「ボランティア」と呼ばれていますが、ボランティアというよりは、ノーギャラのお仕事だと思います)も受けていましたが、もう今は受けていません。

ニッケルハルパもスウェーデンの伝統音楽も、大切にしたいと思っているからです。

曲目決定とMCの原稿作り

条件が明確になったら、あとは演奏時間とイベントの雰囲気に合わせて、演奏曲目の構成とMCの原稿などを作っていきます。

①曲目を考える

曲は、ただ自分が弾きたい曲を思いついた順に並べているわけではなくて、イベントの雰囲気や演奏時間全体を通した「起承転結」(曲の明暗、ポルスカと他の曲のバランス、緩急など)のようなものを私なりに考えて、プログラムにします。

たとえば、こんな感じです。

「起」導入の曲→「承」典型的なポルスカ、そのイベントで求められているタイプの曲など数曲→「転」起・承と違う雰囲気の曲、ポルスカ以外の曲など数曲→「結」アップテンポな曲、締めの定番曲など

これ通りでなくても、流れがあればいいと思うのですが、結果的にこのような流れを意識することが多いと思います。

合間に、アクセントや彩りとして、日本でも知られている歌や曲(著作権フリーのもの)を1曲くらい入れることもあります。スウェーデンの伝統曲とセットにして入れる時が多いです。

また、そのイベントで求められている曲(季節の曲、クリスマスの曲など)も、自分が対応可能な範囲で入れますし、イベントが屋外であったりがやがやしている場合は、曲の雰囲気も少し派手めなものにするなどします。

スウェーデンの曲は、どの曲もお客様にとっては初めて聴く音楽になることが多いので、「じっくり体験しつつ、飽きない」くらいの長さを目安に演奏します。

いずれにしても、メインは「ニッケルハルパとスウェーデンの伝統音楽の演奏(その魅力を味わって楽しんでいただくこと)」です。

これが私にとって、最も大切な軸になっています。

この軸を中心に、イベントや会場の雰囲気を想像しながら、どんな体験を提供できるかを考えて作っています。

②MC

曲目が決定したら、MCの構成を考えます。

MCも、私はすべて原稿にします。

内容は、自己紹介・楽器紹介・曲紹介・スウェーデンの伝統音楽の紹介・スウェーデンの文化の紹介…などを、バランスよく(聞いている人がおもしろいと思えるように)配合するようにします。

だらだと説明するよりも、なるべく「イメージが伝わりやすいような明確な言葉」「一番伝えたい言葉」を選び、簡潔に話すよう心がけます。その方がMCと演奏とでメリハリが出るのと、お客様が想像する余地が生まれ、音楽が聴きやすくなると思うからです。

(話が上手な人は、こういう言葉のチョイスと緩急が上手なのだと思います)

また、全部のMCを「次の曲は~」と始めるのは少しつまらないので、「次の曲は~」というように曲紹介として話をするパターンと、曲紹介とは一見関係の無さそうなところから曲につながるように話すパターンと、両方を入れるよう意識しています。

(これも、話が上手な人は自然とやっていることだと思います)

MCの場合も、大切なのは「お客様に楽しんでいただくこと」「ニッケルハルパとスウェーデンの伝統音楽の魅力・楽しみ方が伝わるような持っていき方を工夫すること」です。

これを考えると、お伝えする内容が自然と決まってくると感じています。

MCは原稿にした後、見ずに、自然に話せるように練習します。話してみて、あらためて原稿の内容を変えることも多いです。

原稿にするのは、「原稿通りに話す」ことが目的ではなくて、「いいタイミングで、したい話がポンとできるように(わかりやすく話せるように)」と思ってやっています。

私の場合、原稿に起こさずに考えながら話すと、順番通りに説明し過ぎて、たいてい迷子になります。どうせ迷子になるなら、事前に原稿作りで一度迷子になっておいて、迷いやすい道順と行きたい道順を確かめてから、本番にのぞもう、という感じです。

これが自然とできる人は、原稿などは作らなくていいかもしれません。うらやましいですね。

最終的には曲とMCとの時間を1曲ずつはかり、全体で演奏時間におさまるようにします。

その後も、MCや曲の弾き方に関しては本番ぎりぎりまで変更したりブラッシュアップします。

告知(必要な場合のみ)

告知は、イベントの内容(対象の方が限定されているか、どなたも歓迎なのか)によって、必要な場合だけします。

イベント自体、私の方では集客をしないタイプのもの(企業や団体による特定のお客様向けのイベント)もありますので、そういったものは告知はしません。

反対に、ライブやコンサートなど告知をするべきものは、HPやブログで告知をします。

私はSNSが苦手なのですが、可能な限り頑張ってTwitterでも告知をします。

私のTwitterはこちらです→https://twitter.com/AkaneMinemura

ただ、私は身近な人にも「来てください~」と言うのが苦手なので(相手に悪いと思ってしまう)、告知や集客は苦手としていると言っていいと思います。

今後、もっと積極的にできると良いなと思います。

演奏当日

①持ち物準備

演奏当日は、民族衣装を着ることも多いので、民族衣装を忘れずに持っていくようにします。

民族衣装は、ベスト・シャツ(アイロンをかける)・スカート・エプロン・ポシェット・赤い長靴下です。前日にたたむとしわがつきそうなので、なるべく当日まとめます。

全部まとめると少し重くて腕に食い込みますが、頑張ります。

私は私服が少なく、普段からロングスカートを履いているのですが、これは自分の好みなだけではなく「もしも民族衣装の一部を忘れて私服で演奏することがあっても、一応恰好がつくように」という思いで着ています。私服の靴(黒い靴一足)も、民族衣装ベースに選んでいます。

当日は、もちろん楽器も持っていきます。楽器は、常に慎重に大切に扱います。人にぶつからないように(ぶつかられないように)注意して歩き、雨ならレインコートで巻いて、ガードして持って行きます。

あと私は普段はお化粧をしないので、本番当日だけ軽く、するようにします。

②電車移動(早めに着くように)

電車は、基本的に入り時間+10~20分前後くらいの余裕を持って行くことが多いです。

(自宅からの距離によって時間は変わりますが)

遅延のことを考えて、早めに行きます。

で、たいていはそのまま早く着いてしまうので、目的地の駅のベンチなどで20分くらい過ごします。

(カフェなどに入るのはもったいないし、会場に早めに行きすぎると迷惑かもしれないので)

入り時間前後になったら会場へ行き、会場の方にご挨拶をし、音の確認などをしながら全部の曲をリハで弾きます。

MC用のマイク等も確認しつつ、頃合いを見てリハを切り上げ、控室(場合によってはトイレ)に行き民族衣装に着替えます。

民族衣装に着替えている間に、間違えて職員さんなどに部屋を開けられてしまう、ということが今までに3~4回ありました。なので、「部屋を開けられてしまっても大丈夫なように」といつも思いながら、着替えるようにしています。

民族衣装用のポシェットには、楽器のチューナー(最近はスマホ)とチューナーマイク、それから、メロディ弦の音程ががたっと落ちた時用の木のペグまわしを入れておきます。

③本番

本番中はお客様の様子を見ながら、原稿で考えてきたMCも少し変えながら、演奏します。

(MCは、練習では原稿に沿って練習しますが、本番ではその場の雰囲気に合わせて少しずつ変える方が良いと思っています。到達地点だけ見失わなければ大丈夫だと思います)

演奏中は、とにかく自分の演奏に集中するようにします。

演奏時、静かに聴いていただける状況の時もあれば、屋外など、かなりがやがやとした状況の時もあります。

どんな状況であっても、できるだけ普段の自分の演奏をするように心がけます。

学生時代の吹奏楽部の時、よく「演奏中は会場に意識を向けろ」と言われていましたが、がやがやしている時など、むしろ意識が外に向きすぎると演奏がガタガタになるので、そういう時ほど「自分の音」に意識を向けます。

ニッケルハルパの音色と、スウェーデンの風景が伝わるような演奏、聴いてくださっている方にとってプラスになる時間を提供できるように、ということを考えます。

本番が終わったら、楽器をしまい、着替えて、会場の方にご挨拶をして帰宅し、汗をかいた民族衣装をハンガーにかけます(シャツは洗濯→アイロン)。

翌日以降に、ブログとHPの演奏報告を更新します。


と、一回の演奏につきこのようなことを行っています。

また、これにプラスして普段の練習が加わります。

あと、演奏当日(土日)の朝はアルバイトが入っていることも多いので、そちらに行ってから演奏に行きます。

演奏準備はもっとこなれてくると良いのかなと思っていますが、今のところは1回1回が勝負です。

「あまり準備しないであえて普段のまま本番にのぞむ」というスタイルも、ミュージシャンっぽくて良いなと思いますが、今の私には合っていないと思いました。

準備して、ある程度の枠組みを自分で作ってから本番にのぞんだ方が、不安が圧倒的に減ることがわかったので、私は準備をしています。

というわけで、今回は「演奏の準備~演奏当日に私がしていること」について書きました。

長々と個人的なことを書いてしまい恐縮ですが、お読みいただき、ありがとうございました。