Rena RamaとRoger Tallrothのコンサートの和訳②です。
①はこちら→Rena Rama & Roger Tallroth(Boda, 2021)のコンサートの和訳①
和訳の①と②はRena Ramaの3人のコンサートです(Roger Tallrothの出番は③以降になります)。
動画
前回の続きから(21:08~)の再生です。
Anders:いやあ、楽しいですね。
しかも暑くなってきました。
これは…良いことです。
(笑いが起きる)
弾く時に寒いのは良くありませんから。フィドルも、他の楽器も…(笑)
…今ちょっと言うことが思いつかなくて、適当にしゃべってしまいました。
さて、新しく発見されたポルスカを演奏したいと思います。
私は家で楽譜や紙を。棚やそのへんのありとあらゆるところに広げてしまっているのですが、そこで、ある楽譜を発見したのです。
この楽譜は、私の友達にWaldemar Röjder(ヴァルデマール・ルイデル※この人のつづり間違ってたらすみません)という人がいて、彼がErland Öman(エルランド・エーマン)という演奏家のために記録したものです。
Erland ÖmanはHärnösand(ヘルノサンド※地名)北部のRamsås(ラムソース※地名)の演奏家です。
このErland ÖmanはHjalmar Älander(ヤルマル・エーランデル)という演奏家の演奏を録音し、Waldemar Röjderがそれを楽譜におこしました。聴いたものを書いたんです。2曲。
それらは忘れさられていました。20年ほど前のことです。
そして、今私たちがそれを見つけました。
というか、私が見つけました。
Hjalmar Älanderが伝えた、Kammartjärn(カンマルシャーン※地名)の美しいポルスカです。
彼はKammartjärn、つまりHärnösandの南部の地域に住んでいた演奏家(riksspelman)で、20世紀前半に活躍しました。1970年代に亡くなるまで。
では、 Hjalmar Älanderの伝えたポルスカを演奏しますが…
…今のこの説明、果たして理解した人はいるのでしょうか?
(笑いが起きる)
後でどうぞ質問に来てください。
※参考:Erland Öman→https://www.allehanda.se/2019-08-14/vi-ar-manga-som-fatt-vara-en-del-av-hans-kreativitet–erland-oman-i-ramsas-alandsbro-har-avlidit
※参考:Hjalmar Älander→https://spelmansforbundet.com/artiklar/spelmansportratt/broderna-alander/
⑤(23:07~)Polska efter Hjalmar Älander(ヤルマル・エーランデル伝承のポルスカ) Kammartjärn, Ångermanland
(25:39~)
Anders:さきほどよりももっとわかりやすくお話ししたいと思います。
もう一度言いますね。(笑いが起きている)
(今演奏した曲を伝えた人は)Hjalmar Älanderです。彼は優秀な演奏家でした。
…では、次は別の演奏家の曲を演奏します。
彼は数年前に、職場の同僚が定年退職する際にこの曲を作りました。
つまり、彼女(同僚)は、私から「Pensionsvals(定年のワルツ)」を贈られたのです。(→Anders自身が同僚のために作った曲)
その曲を演奏したいと思います。
その同僚はGun-Marie(グン・マリー※つづり違ってたらすみません)という名前でした。…いえ、「です(現在形)」ですね(笑)
⑥(26:15~)”Pensionsvalsen” av Anders Eriksson(「パンショーンスヴァルセン(定年のワルツ)」アンダーシュ・エリクソン作曲)
(29:20~)
Urban:ありがとうございます。
Andersはたくさんの美しい曲を作ってきました。
今の曲もそのうちの1つですね。
次に演奏しますのは、私が書いた曲で、「Getryggen(イェート・リュッゲン。ヤギの背中)」という曲です。
この曲は、子供の頃の思い出について書いた曲です。
私は学校に行く際、スクールバスに乗っていました。バスの道のりは長くて、しかもグラグラする道でした。
その道のりの中で、「Getryggen」と呼ばれている場所がありました。そこは道のデコボコ(高低)がすごかったんです。
そこに着く頃になると、私はバスの運転手さんにこう頼むのでした。
「Getryggenのあたりで、スピードを出してもらえますか?」と。丁寧に。
(笑いが起きる)
バスに乗っている人があまりたくさんいない場合は、OKでした。
そして(運転手さんに頼んだらすぐに)私は急いでバスの一番後ろの席へ行き、座り、備えます。
するととてもよく(席の上で)ジャンプできる(=身体が浮く)んです。
(笑いが起きる)
今ではその道は平らにならされていますが、思い出は心の中に残っています。
「Getryggen」です。
⑦(30:34~)”Getryggen” av Urban Andersson(「イェート・リュッゲン(ヤギの背中)」ウルバン・アンダーション作曲)
※途中で、身体が浮き上がるような感じで弾いているのが印象的です。
(33:55~)
(マイクの高さを上げる)
Håkan:2012年は特別な年でした。
なぜなら、その年にAndersと彼の妻Maja(マイヤ)が、彼らの住んでいるGottne(ゴットネ※地名)で100年(100歳)記念パーティーを開いたんです。
そのあたりに住んでいる人の半分くらいたくさんの人が集まり、大きなたき火もあり、彼らの家には常にもう一人分の余裕がある(※=居場所がある、歓迎されている)ような感じでした。美しかったです。
はあ…(と胸に手を当てて素敵な思い出だったことを思い出す)。
とにかく、それは数日間にわたるようなとても大きなパーティーでした。
100歳記念というのは、Andersが51歳でMajaが49歳になったから、二人合わせて100歳ということなのですが。
そのパーティーに合わせて、たくさんの人が曲が作ったのですが(※プレゼントとして)、そのうちの1人がEmma Ahlberg(エンマ・アールベリィ)でした。
彼女は素晴らしいフィドル奏者で、Sundsvall(スンドゥスヴァッル)に住んでいました。最近引っ越してしまいましたが。
彼女がこのパーティーの時に曲を作ってきてくれました。
それが「Antikpolska(アンティークポルスカ)」というポルスカです。
おそらくあなた方(AndersとMaja)がアンティークのように年をとったという意味の曲かと思いますが…(ちょっと笑いが起きる)
※その後Andersが曲について補足し、Håkanが納得します。
↑ここ、なんと言っているのかわからなかったのですが、A:「アラーゴンにいた」H:「あ、アラーゴンね~」と言っているような気がしたので、「スペインのアラゴンに(Emmaが)行った後だったので、その時のことを曲にした」とか、「古代都市や国、歴史的なものを思い浮かべて作った」という意味なのではないかな~と私は勝手に想像しています。全然違っていたらすみません。
⑧(35:17~)”Antikpolskan” av Emma Ahlberg Ek(「アンティークポルスカン」エンマ・アールベリィ・エーク作曲)
(続きは明日)
私はワルツが大好きなのですが、今回のコンサートは全体的にワルツが多いですね。たいていはポルスカばかりになるので、結構珍しいです。
昨日も書きましたが、かわいらしくて、楽しくて癒される(元気になる)コンサートだなと思います。演奏している3人の人柄が出ています。
お客さんの雰囲気も含めてあたたかい感じがします。
途中で出てきたEmmaは、日本にも「AER」のトリオで来たことがあります。その時に、ワークショップもしてくれたのを覚えています。かわいらしくて、かっこよかったです。→ハーモニーフィールズHP(日本語)アーティスト紹介
次回からRogerが出てきますので、明日の分もお楽しみに。
お読みいただき、ありがとうございました。