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自分の出す音を自分が一番に楽しむように

/ ニッケルハルパ奏者

この前、たまたまスウェーデンの家作りのTV番組を見ていた時に、BGMでハープの音が聴こえてきました。

ちょうど画面に映っている景色もきれいだったので、私は「あ~、いいなあ」となり、「このハープを弾いている人は、自分の出す音にさぞ癒されていることだろう」と思いました。

そこでふと「あ、私はそうなっていないな…」と思いました。

今回は、自分の出す音を自分が一番に楽しむ、ということについて書きます。

「演奏(練習)中、あまり楽しくない」とか、「演奏中に何を考えたらよいのかわからない」という方は特に、ぜひ参考にしてみてください。

自分の音を自分が楽しむ

「過去の自分へのアドバイス」の記事でも少し書きましたが、

過去の動画の自分にアドバイスするとしたら & 最近の練習動画「Djävulspolska från Flen」

どの楽器でも、楽器を演奏(練習)していて、自分の出す生音を一番近くで聴いているのはたいてい自分です。

人のコンサートなどを聴いていて、私はよく「あー、耳が天国だなあ」と思うのですが、そういったコンサートに限らず、

「自分の楽器から出る生音を、自分自身が一番に楽しむ」ということを、自分自身が演奏(練習)している最中にやってみると良いのかもしれないと思いました。

※私が「演奏」と書いている部分は、すべて「練習」と読み替えていただいて大丈夫です。練習も本番も区別なく「演奏」と書いてしまっています。

演奏中何を考えたらいいのかわからない/間が持たない

他の人が演奏中に何を考えているのか、私には全くわかりませんが、私は「演奏中に何を考えたらいいのか」が、わからなくなる時があります。

楽器とは全然関係のない、過去の記憶(どちらかというとネガティブな記憶)がよみがえってくることも多々あります。

また、「どうやって弾いたらよいのかわからないな」と思っている箇所などは、ついテンポが速くなってしまったり、間が持たなかったりします。

もちろん、音のイメージをしようと思ってはいるのですが、全然イメージができない曲というのもたくさんあります。

そんな曲を弾いている時に「うーん、ここはどうしたいんだろう」と考えていると、次第に意識が別のことにいってしまったりします。

「自分の音を楽しむ」をやってみる

そこで、「自分の音を自分が楽しむ」ということを意識してみることにしました。

すると、「自分が楽しめる音や演奏方法ってどんなものだろうか?」ということを無意識にイメージするようになるので、良いなと思いました。

他の人が出す音に癒されるだけでなく、自分自身がその楽器の音色の恩恵を自分で受けながら演奏することで、音色にも良い影響があり、演奏すること自体がより楽しくなると感じました。

また、そのように意識して演奏すると、出す音一音一音に意識が向くので、「何を考えたらいいのかわからない」「嫌な記憶がよみがってくる」「間が持たなくなる」等も減ると思いました。

意識してみて、できる時とできない時とがあるなと思いましたが、できる瞬間が増えると良いなと思っています。

「演奏する楽しみ」の一つに加える

楽器を演奏する楽しみというのは、いくつもあると思います。

たとえば、人に聴いてもらって喜んでもらう楽しみ、上達する楽しみ、など。

誰もが複数の楽しみを持っていると思いますが、私の場合は、わりと「上達する楽しみ」に意識を向けていることが多いと感じています。

でもそれだけだと、上達していない瞬間が少しつらいです。

また、年齢とともにできないことが増えていったり、上達のスピードが落ちていった時に、つらくなるかもしれない、と思います。

「上達する楽しみ」だけでなく、「今、弾いている瞬間を楽しむ」ということも、自分の中でもっと増えるといいなと思っています。

その方法の1つが、「自分の音を自分が一番に楽しむ(自分が出す音の恩恵を自分が受ける)」です。

今自分が出している音に、たとえ納得がいかなかったとしても、その楽器の音色を十分に楽しむことです。

また、自分の思うイメージ通りの音が出なかったとしても、細かい部分のニュアンスの変化に注目してみると、たくさんの価値をそこに発見できるのではないかと思います。

そうすると、演奏している瞬間瞬間がより楽しくなるし、結果的に音色も、より自分の出したい音色に近づくのではないかと思います。

また、普段から自分なりの演奏の楽しみ方を知っていれば、「本番の演奏」などへのハードルも低くなるかもしれません。


以上、「自分の出す音を自分が一番に楽しむ」について書きました。

演奏している最中の、一瞬一瞬を楽しむことができたら、自分自身にとっても、自分の出す音にとっても、とても良い影響があると思います。

もしよければ、ぜひ参考にしてみてください。

お読みいただき、ありがとうございました。