スウェーデンに留学した私にとって、「ニッケルハルパを弾いている」=「民族音楽を弾いている」というのが当たり前のように頭の中にあったのですが、その図式を書き換えた方が良いのかな、と最近思うようになりました。
日本に帰ってきて、ニッケルハルパを弾いている、と言うと必ず「これで○○(映画音楽とか、ポップスとか、アニメの曲とか)弾いたら似合いそう!やらないの?」と聞かれます。以前はこう聞かれる度に、民族音楽が否定されているみたいで悲しかった…のですが、そう尋ねる人たちには悪気は全くなく、単純に「ニッケルハルパ=スウェーデン民族音楽」という図式が無いだけかも、と考えるようになりました。
(ニッケルハルパ奏者って名乗るから誤解を生むのかなとも思い、ニッケルハルパ・スウェーデン民族音楽奏者と名乗り始めました。模索中です)
ちなみに私もポップスや映画音楽やアニソンは好きです。カラオケでも歌います。でもそれはそれ、ニッケルハルパで弾こうとは思いません。民族音楽×ニッケルハルパの組み合わせが私にとってはベストなので、他のジャンルの音楽に手を出そうと思わないのです(例えきれいに弾けても、深め方がわからないので自己満足か消化不良になります)。
※ちなみにもし他に手を出すとしたら、ニッケルハルパで他の音楽、ではなくスウェーデン(もしくはノルウェー)民族音楽を他の楽器で、の方向に行くと思います!
ジャズピアニストに「クラシック弾かないの?似合うよ!」と言う人はあまりいませんよね。それと同じかと思います。両方弾く人もいればどちらかだけを弾く人もいる。マルチな興味を持っていて色々弾く人もいるし、1ジャンルを弾く人もいる(そのマルチの方向も人によって違う)。どうやら興味の方向性が違うだけみたいです。
「でも新しいことやらないとニッケルハルパは広まらないんじゃない?」って言われることもありますが、私はニッケルハルパという楽器だけを広めたいというより、スウェーデン民族音楽(とニッケルハルパ)を紹介したいと常々思っています。なので、自分の目指す方向で頑張ります。
ポップスやアニソンやゲーム音楽をニッケルハルパで弾きたいという人は他にちゃんといる(と思う)し、これからも現れるはず。
そちらの分野は他の方にお任せして、私は民族音楽を、やりたいことをやります。