昨日に続き、クラリネットで聞くスウェーデンの伝統音楽をご紹介したいと思います。
昨日の記事→クラリネットでスウェーデンの伝統音楽①
クラリネットで聞くスウェーデンの伝統曲
クラリネット奏者の紹介の続きです。
③Gunnar Liss(グンナル・リス)
Gunnarは、先日少しご紹介しました「Trio Schedin」(トリオ・シェディーン(フェディーン))のクラリネット奏者の方です。
※Trio Schedinというのは、19世紀後半~20世紀のクラリネット奏者「Jon Erik Schedin」(ヨン・エリック・シェディーン(フェディーン))の曲を演奏するトリオで、ニッケルハルパ奏者のJosefina Paulson(ヨセフィーナ・ポールソン)、フィドル奏者のCarina Normansson(カリーナ・ノルマンソン)、そしてGunnar Lissの3人によるプロジェクトです。期間限定ユニットのような感じです。
※Trio Schedinと、Jon Erik Schedinについて、以前ご紹介した記事はこちら→無印良品BGM8に収録されている曲を解説⑦
私はGunnarについてあまり詳しくはないのですが、以前Trio SchedinのCDをたまたま購入していて(まだニッケルハルパを始めたての頃で、曲も演奏家も全然わからずに購入したのですが、買って良かったです)、CDで聞いていたので知っている、という感じですね。
Schedin伝承の曲はオンラインで楽譜が見られるので、楽譜をもとに選曲して、3人のアレンジを加えているみたいです。
上の動画はTärnsjö(ターンショー)の教会で撮影したものだそうです。
教会はかなり響くので、もっと「演奏の音自体」をよく聞きたい方はこちらの方が生の音がよく聞こえるかもしれません↓
暗くて姿は見えませんが、こちらの音色の方がCDの音に近い感じがして私は好きです。クラリネットの音もよく聞こえます。踊る人たちも見えて良い感じです。
こちらもかわいいですね↓この曲はショッティス(2拍子のダンス)です。
Jon Erik Schedinはクラリネット奏者ですが、彼が一緒によく演奏していた父親がフィドル奏者であったり、彼らのレパートリーがニッケルハルパ奏者から教わったものであったりするので、こちらの3名の楽器の組み合わせは、そういう意味も込められているみたいです。
Trio SchedinのCDはおそらく今はもう販売されておらず、YouTubeなどにも音源は無いのですが、上記の動画などでぜひお楽しみいただければと思います。
④Albin Myrin(アルビン・ミーリーン)
こちらは、以前もご紹介したことがあるのですが、私の友達です。留学先(ニッケルハルパ)のクラスメイトでした。
今は音大を出てクラリネット奏者として活躍中のミュージシャンです。私は全然連絡を取り合ってはいませんが、きっと元気なはず。
音大生は在学中から色々バンドを組んだりして活動されている方が多いのですが、Albinもそうですね。Västanvinden(ヴェスタンヴィンデン=意味は「西の風」でしょうか)の3名による演奏↓
Lapp-Nilsの曲だそうですが、Lapp-Nilsは伝統音楽界では非常に有名な昔のフィドル奏者です→Lapp-Nils(ラップ・ニルス)について【イェムトランド地方のフィドル奏者】
また、こちらはフィンランドのÖsterbotten(エステルボッテン)の演奏家Johan Erik Taklax(ヨワン・エリック・タークラックス)伝承のポルスカ↓
こちらもかっこいいですね。
Albinは、スウェーデンの伝統音楽にももちろん詳しいのですが、ノルウェーのLom(ロム)という所の音楽に対しても非常に情熱を傾けていて、Lomの曲を集めたソロアルバムも出されています。
そのアルバムにも収録されている曲↓お二人のアンサンブルの膨らませ方とアレンジが素晴らしくて、私もとても好きな演奏です。ぜひご覧ください。
フルートはDaniela Söderlund(ダニエラ・セーデルンド)。
このDanielaが作った曲ということで、フルート・クラリネット・バスクラリネット(Veronica Lindåker(ヴェロニカ・リンドーケル))の3名で演奏されている動画がこちらです↓これは去年(2024年)の動画ですね。
ニッケルハルパは弦楽器と一緒に組むことが多いですが、やはり管楽器は管楽器同士の相性が良いのでしょうか。
さて、Albinの動画はなぜか穏やかな感じの曲を中心に載せてきたので、「きっと性格的にも穏やかな人なんだろうな」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはなく、彼個人は音楽に対してとても情熱的です。私の200倍くらいパワフルだと思います。私が学校で一緒だった時はまだ20歳頃だったので、年齢的なものもあったかもしれませんが。
今はKalejdoskop Trio(カレイドスコープ・トリオ)などでも活動されています。
知り合いなのでついたくさん紹介してしまいますが、現在進行形で活躍中のミュージシャンなので今後が楽しみです。
おまけ:クラリネット奏者が伝えた曲「Gumman som vågade mot näcken」
最後におまけなのですが、私が留学中に教わったこちらの曲「Gumman som vågade mot näcken」(ネッケンと対峙した女性)というポルスカも、クラリネット奏者Erik Nordström(エリック・ノードストルム)が伝えた曲、と言われています。
音源はこの曲を教えてくれた、フィドルとニッケルハルパの奏者Sonia Sahlström(ソニア・サールストルム)との、その夫でハーモニカ奏者のHåkan Larsson(ホーキャン・ラーション)です↓
(私が教わったバージョンとはキーが違いますが(教わったのはG))
この曲もクラリネットで吹くととても合いそうな感じがしますよね。かわいらしい曲です。
という感じで、クラリネットで聞く伝統音楽②をお届けしました。
こういうテーマで演奏を紹介するのもおもしろいですね。書いていて楽しかったです。
私もまだまだ知らない演奏家だらけなので、また別の方を見つけたら、ブログに書いていきたいと思います。
では、どうぞ良い日曜日をお過ごしください。