9月はBodaで行われたコンサートを訳していましたが、今回はBror Hjorths Husで行われた、こちらのコンサートを訳していきます。
「Konsert till Ole Hjorths minne(Ole Hjorthをしのぶコンサート)」です。
フィドル奏者のOle Hjorthが亡くなったことを受けて開かれたコンサート、のようです。
演奏者はSven Ahlbäck、Jonny Soling、Joel Bremerの3人です。
Ole Hjorthとコンサートの演奏者3人
まずコンサートのタイトルになっているOle Hjorth(オーレ・ヨット)ですが、彼はフィドル奏者です。
父親が芸術家のBror Hjorth(ブロール・ヨット)で、その息子であるOleは、Hjort Anders(ヨット・アンダーシュ)という奏者にフィドル演奏を教わりました。
(ちなみにBror HjorthとHjort Anders、両方ともHjort(Hjorth)ヨットという名前や名字ですが、彼らは親類では全くありません。たまたま、名前や名字が似ていただけです)
Bror HjorthはHjort Andersの演奏に心底惚れ込んでいて、その関係で息子のOleにもHjort Andersに演奏を習わせていました。
この3人(父Bror、子Ole、師Hjort Anders)が一緒にいる絵もBrorによって描かれています。
今回のコンサートが行われている場所は、そのBror Hjorthの旧アトリエ(現在はミュージアム)です。Uppland(ウップランド地方)にあります。
そしてそのOle Hjorthをしのぶコンサートということで、演奏するのはSven Ahlbäck(スヴェン・アールベック)、Jonny Soling(ヨニー・ソーリング)、Joel Bremer(ヨーエル・ブレーメル)の3人です。
3人の紹介とOle Hjorthの紹介の意味を込めて、Bror Hjorths Husのコンサート動画の概要欄から説明を引用します。
ーーーーーーーー
Sven Ahlbäck、Jonny Soling、Joel Bremerの3人が、演奏とOle Hjorthにまつわる思い出の語りを通じて、Ole Hjorthをしのびます。
彼らは3人ともOleとよく弾いており、また、Oleにフィドルを教わっていました。
Ole Hjorthが亡くなったのは2021年の秋(コンサートの行われる約1年前)。彼は1950年代からスウェーデンの伝統音楽界で活躍し、演奏を通じて多くの世代に影響を与え、様々な方法で伝統音楽のこんにちの継承に貢献してきた人の1人です。
Oleはヴァイオリニスト(クラシック)としての教育も受け、王立スウェーデンオーケストラ(Kungliga Hovkapellet)で働いていました。1970年代にはヴァイオリニスト(クラシック)の教育者としての教育も受けた一方で、1976~1995年にはストックホルム王立音大での伝統音楽コースのイニシアチブをとり、スウェーデンで名の知られる多くのフィドル奏者(伝統音楽)たちを教えてきました。
ーーーーーーーー
ということです。
今回も聴き取れない部分もあるかと思いますが、できる範囲で、訳していきたいと思います。
動画
動画が始まるところ(2:32~)から再生にしています。
(2:32~)
Mattias(最初の挨拶の男性):皆さま、ようこそお越しくださいました。
今夜の、Ole Hjorthをしのぶコンサートへ。
こちらの場所は、一時期、Oleの家だった場所です。
そしてまた、Oleが音楽的な飛躍をとげた(最初の一歩を踏み出した)場所でもあります。
彼が父親のBror Hjorthや、演奏の師匠であるHjort Anders Olssonとともにフィドルを弾いていたのが、このアトリエです。
そしてこのアトリエは、他の素晴らしい演奏家たちの印象も残っているアトリエになります。
Oleが亡くなってから、もうすぐ1年が経とうとしています。
彼のことを恋しく思いますが。
このミュージアムでは、彼はまさに生きている、と言っていいのではないでしょうか。
それは、私たち、働いているスタッフたちの間での彼にまつわる思い出であったり、私たちがほとんど毎日話題にしているこれらの芸術作品の、モチーフとしてであったりします。
私がお伝えしておきたいのは、彼がいなければ、このミュージアムはミュージアムにはなっていなかっただろうということです。
(アトリエをミュージアムとして公開したことへの)彼の貢献ははかりしれません。私たちがこうして今ここに座ることができるのは、彼のおかげです。
そして私たち、ここで働く者にとっては、さきほどもお話ししましたが、スタッフたちは「これらの(Bror Hjorthによる)芸術作品たちを人に見てもらいたい」というOle自身の気持ちと喜びを、大きな支えとしてきました。
Oleは、間違いなく1950年代の偉大な演奏家の1人ですが、王立音楽大学で彼が果たした役割もまた、表現できないものです。強い印象と、影響を残しました。
彼は演奏家であり、教育者でありました。
その点について、今夜のコンサートでも焦点を当てていきます。
コンサートでは、彼の3人の弟子たち(生徒たち)の演奏をお聴きいただきます。
彼らは演奏し、話(Oleにまつわる思い出)をしてくださいます。素晴らしい演奏家たちです。
ではあたたかい拍手でどうぞお迎えください。
Sven Ahlbäck(スヴェン・アールベック)、Jonny Soling(ヨニー・ソーリング)、Joel Bremer(ヨーエル・ブレーメル)です。
Jonny:(皆さんの拍手から)あたたかさをいただきました。
皆さん、準備は良いですか?
(お客さんが「Ja(はい)」とか「Absolut(もちろん)」と言って頷く)
※演奏者ですが、左から順に、赤い服の眼鏡のおじいさんがJonny Soling、真ん中の眼鏡の男性がJoel Bremer、眼鏡をかけていない男性がSven Ahlbäckです。
①(5:18~)Skänklåt från Bingsjö(ビングフェーで伝わるフェンクロート)
※この曲は他の和訳でも出てきました↓
Bosse Larssons minneskonsert (2022.11) の和訳⑥
Anna Ekborg & Anders Jakobsson(Boda, 2021)コンサートの和訳④
Johan Nylander(Boda, 2021)のコンサート和訳①
(続きは明日)
Jonny Solingの話がこの後続くのですが、かなり長くなってしまうので、続きは明日にしたいと思います。
①のこの曲は有名なんですね。色々な人のコンサートで出てきたので、私もさすがにメロディは覚えてきました(笑)
良い曲ですよね。
では、明日以降の部分もお楽しみに。
お読みいただき、ありがとうございました。