前回まで、Magdalena ErikssonとIsak Erikssonのコンサートの和訳をしてきました。
Magdalena Eriksson & Isak Eriksson(Boda, 2021)のコンサート和訳①
そのMagdalenaの父親の、Anders ErikssonがBodaの会場で演奏した時のコンサートの配信があるので、今回からはそちらのコンサートを和訳していきたいと思います。
Rena Rama & Roger Tallroth
今回のコンサートで演奏しているのは「Rena Rama & Roger Tallroth」です。
コンサート前半はRena Ramaの3人の演奏、そしてコンサート後半ではRoger Tallrothがゲストとして加わり、4人で演奏しています。
Magdalenaの話では、この4人は普段からよく皆で一緒に演奏している、とのことでした。
Rena Rama(レーナ・ラーマ)は、Håkan Olsson(ホーキャン・オールソン)、Urban Andersson(ウルバン・アンダーション)、Anders Eriksson(アンダーシュ・エーリクソン)によるトリオです。(動画内での並び順、左から順番に名前を書いてみました)
HåkanとAndersがフィドルを、Urbanがアコーディオンを演奏しています。
Ångermanland(オンゲルマンランド地方)とHälsingland(ヘルシングランド地方)の伝統曲とオリジナル曲を演奏しているそうです。
(「Rena Rama」で検索すると他のミュージシャン(グループ)も出てきてきてしまうのですが、それぞれ別物みたいです)
そしてゲストのRoger Tallroth(ローゲル・タルロート)は、Väsen(ヴェーセン)というトリオの元メンバーとしても有名な方です。日本にも何度もいらしている、ギター(など)の奏者です。
彼に憧れる若い奏者もたくさんいて、色々な演奏家と共演をしています。動画でも出てきますが、世界的に名前が知られている演奏家の一人だと思います。
以上の4人です。演奏している会場は前回の訳と同じく、ダーラナ地方のBoda(ボーダ)にある、Boda Gammelgårdです。
コンサートの順番としては前回訳したMagdalenaとIsakのコンサートよりも1週間ほど前に行われたものになります。2021年夏のものです。
動画
(最初の挨拶)
Magdalena:皆さんこんにちは。Boda Hembygdsgårdへようこそ。
まもなく、コンサートが始まります。
演奏するのは、伝統音楽界のビートルズと言っても良いでしょう、Rena Ramaです。Anders Eriksson、Håkan Olsson、Urban Anderssonと、そしてもう1人のゲストミュージシャンです。
彼らを紹介する前に、まずお伝えしておきたいのが、コンサートを主催しているのはBoda Hembygdsföreningです。
彼らは、この10日の間に9つのコンサートを予定してくれています。素晴らしいですよね。
彼らに拍手をお願いいたします。
(拍手)
また、そちらの一連のコンサートだけではなく、毎週月曜日のコンサートもあります。
さらに、金曜日のチケットももう発売しています。
金曜日に行われるのは、「Jubileum konsert(周年記念コンサート)」が2つです。1つは教会で行われるRöjås Jonasの(100年記念)コンサート、そしてもう1つはこちらの屋外で行われる(このイベントの40周年記念)コンサートです。
チケットはまだまだございますし、おそらくSJ(スウェーデン国鉄)の電車の切符もまだまだあるでしょうから、電車に乗ってぜひまた来てください、今日別のところからいらした方は。
もともとこちらにお住まいの方は、そのままい続けてくださいね。
さて、そろそろです。
今夜のゲスト、伝統音楽界のビートルズです。…これ以上引っ張れませんね。
Anders Eriksson、Håkan Olsson、Urban Andersson!そしてもう1人ゲストミュージシャンがいますが、その人のことはまだ話さない方が良いのでしょうかね、いや、言って良いみたいです。Roger Tallroth!
どうぞ!
※Röjås Jonasの100周年コンサートの動画→https://www.youtube.com/live/AlPdh0hDrVo?si=BX3q66VNy-rGpGi_
※Bodaの40周年コンサートの動画→①https://www.youtube.com/live/P1gIoY9zhhE?si=dsdKlQRuDZN_qkeR、②https://www.youtube.com/live/SFfyT37JKXA?si=rKHEIZt-uAotgN-p
①(2:39~)”Karins brudvals” av Anders Eriksson(「カーリンの結婚式のワルツ」アンダーシュ・エリクソン作曲)
(5:39~)
Anders:ありがとうございます。
こうして演奏させていただけるのは本当に素晴らしいことです。生身の(本物の)人間の前で、と言って良いでしょうかね(笑)
演奏しているこの会場の中に、皆さんがいるということが、心地よいです。
そして配信でご覧の、素晴らしい皆さんも、ありがとうございます。
今演奏しました曲は、ずいぶん前に私が作曲した「Brudvals(結婚式のワルツ)」です。
私の妻のいとこが結婚する時に(妻のいとこのために)作ったのですが、それからもう30年が経ちました。
続いての曲は、私たちが知っている限りで唯一の、演奏家Johan Lindholm(ヨーワン・リンドホルム)が伝えた曲です。彼は、Örnsköldsvik(ウルンフェードスヴィーク※地名)から2~3マイル北部にあるGrundsunda(グルンドスンダ※地名)の人です。
(※どちらもÅngermanlandの地名です)
「Schottis i A-dur(Aメジャーのショッティス)」です。
今夜はダンスはできませんが(※コロナ禍で)、それでも皆さんイスの上でどうぞダンスを踊ってみてください。できると思いますので。
②(6:35~)Schottis i A-dur efter Johan Lindholm(ヨーワン・リンドホルム伝承のAメジャーのショッティス) Grundsunda, Ångermanland
(10:28~)
Håkan:演奏しました曲は、最初のAnders Erikssonの曲に続いて古いschottis(ショッティス)でした。
続いては私が作曲したワルツを演奏します。
マイクが低い…(マイクを伸ばす)…こんな感じかな。(笑いが起きる)
このワルツは、私が2年前、というか1年半前に作った曲です。
まだ名前がありません。
曲のアイディアはあって、曲自体は作ったのですが。
名前の候補はありますが、今のところはまだ「Valsen!」という名前になっています。
(ジェスチャーで「!」のマークを作る。「ワルツ!で充分なんだ」みたいなジェスチャーをする)(笑いが起きる)
ここで一旦弾き始めようとしますが、アコーディオンの音が出ないということでUrbanが「なんか弾いてて、後で戻ってくるから」と言って一回引っ込みます。
Urbanがいない間、他の曲を弾こうか・何を弾こうかとHåkanとAndersが話し、お客さんから曲の提案があり、その曲を弾こうとして説明しかけたタイミングで、Urbanが(音が出るようになったので)帰ってきます。
(このやり取りの間、お客さんは終始笑っていて、和やかな雰囲気です)
③(12:17~)”Valsen!” av Håkan Olsson(「ワルツ!」ホーキャン・オールソン作曲)
(16:59~)
Urban:ありがとうございます。
どうやら楽器も大丈夫なようです。そんな風に聴こえます。
何か薄い膜のようなものがアコーディオンの空気の穴にかぶさっていたような感じです。今日は湿度が高くて暑いので、そのせいかもしれません。私も汗をかいていますし。
でも大丈夫そうです。
(ちょっと弾いてみる)
うん(笑)
私たちのレパートリーは、Ångermanland(オンゲルマンランド地方)の曲、Hälsingland(ヘルシングランド地方)の曲、そして新しいオリジナルの曲などが、混ざっています。
次に演奏します曲はHälsingland(ヘルシングランド地方)のDelsbo(デルスボー※地名)の曲で、Erik Ljung(エリック・ユング)という演奏家が伝えた曲です。
彼はかなりたくさんの曲を伝えました。その多くが現代でも演奏されています。
彼が伝えた曲の中でも、彼がJonas Morsten(ヨーナス・モシュテーン)、通称Mosell(モセッル)と呼ばれていた男性から聴いたポルスカを弾きたいと思います。
彼はこの曲をよくErikに歌って聴かせていたそうです。
そのため、この曲は「Mosellpolskan(モセッルポルスカン)」と呼ばれています。
※参考:Erik Ljung “Kusen”のWikipediaのページ(スウェーデン語)
※Rena Ramaの3人は、HåkanとAndersがÅngermanland(オンゲルマンランド地方)出身で幼馴染どうし、UrbanがHälsingland(ヘルシングランド地方)のDelsbo(デルスボー)のあたり出身のようです。
④(18:06~)Mosellpolskan、Polska efter Jonas Morsten(モセッルポルスカン。ヨーナス・モシュテーン伝承のポルスカ) Delsbo, Hälsingland
(続きは明日)
ということで、Rena Ramaのコンサートの和訳①でした。
このコンサートの動画はよく見かけていたので、こうして和訳で扱えて(きちんと聴けて)嬉しいです。
Rena Rama、すごく可愛らしい雰囲気がありますね(おじさん3人組なのに)。和みます。
ベテラン奏者たちのコンサートだと、ハプニングがあっても安心して見られるんですよね。
明日の部分もお楽しみに。
お読みいただき、ありがとうございます。