Rena RamaとRoger Tallrothのコンサートの和訳④です。
①~③はこちら↓
Rena Rama & Roger Tallroth(Boda, 2021)のコンサートの和訳①
Rena Rama & Roger Tallroth(Boda, 2021)のコンサートの和訳②
Rena Rama & Roger Tallroth(Boda, 2021)のコンサートの和訳③
動画
Anders:客席の皆さん、楽しんでいらっしゃいますか?
ここから見ると1000人のお客さんがいるような感じがします。
(笑いが起きる)
でも少なくとも50人はいるでしょう。
Roger:皆で広がっている(間隔をあけて座ってる)のは良いですね、色々な意味で。(※コロナの影響で席の間隔が広がっている)
Anders:そうですね、オーデコロンをつけ忘れている場合とかね。
(笑いが起きる)
Roger:私は「たくさんいるように見えるから」という意味で言ったんですけどね。
Anders:なるほど。
私はにおいのことを考えていました。
(笑いが起きる)
Roger:まあそうですね。においを気にしなくていいのは良いですね。
Anders:とりあえず、(※コロナが少し落ち着いてきて)ハグがまたできるようになったのは良いことですよね、親しい関係の人とはハグしても良いみたいなので(笑)
(AndersがUrbanと肩を組む)
Urban:ヘイ、Anders。
(笑いが起きる)
私たちは同じバンドのメンバーですから。
Anders:ええ、私たちは同じバンドメンバーですからハグしてもOKですよ。
私たちはお互いに30マイル離れたところで暮らしていますが、それでも同じバンドメンバーですから。
(笑いが起きる)
Roger:(チューニングは)これで良し、と。
では、Polska efter Tulpan Anders(トゥルパーン・アンダーシュ伝承のポルスカ)です。
これはBrudlåt(結婚式の曲)、もしくはBrudpolska(結婚式のポルスカ)です。
私がこの曲を提案したのは、ごく簡単な理由からです。
この曲はとても美しいメロディを持っていると私は思うから、です。
ということで、弾きたいと思います。
※Tulpan Anders(Tulpans Anders Olsson)について→AlftaのSpelmanslagのページ
⑫(55:29~)Brudpolska efter Tulpan Anders Olsson(トゥルパーン・アンダーシュ・オールソン伝承の結婚式のポルスカ) Alfta, Hälsingland
(マイクを使っていない間、何と言っているのかわからないので、そこは飛ばします)
(1:00:34~)
Roger:続いての曲は、私が作ったBrudvals(結婚式のワルツ)です。
ある結婚するカップルに向けて。
(笑いが起きる。※なぜ笑っているのかよくわかりませんが)
そのカップルはPilvi(ピルヴィ)とEsko(エスコ)。2人とも現在はJärvelä(イェルヴェレー)という名字です。
彼らの結婚式は、フィンランド北部のKaustinen(カウスティネン※フィンランドの地名、フィンランド語)、もしくはKaustby(カウストビー/カウスト村※同じ地名のスウェーデン語版)で行われました。
Kaustinenといえば毎年、とても大きなフェスティバルが開催されてきました。50年以上にわたって行われていると思いますが。
そこではJärvelä näppärit(イェルヴェレー・ネッペリット※フィンランド語。つづりはもしかしたら違うかも)というものがあります。näppärit(ネッペリット)というのは「小さい演奏家」という意味です。
Anders:そう、私のようなね。(身長が低い、という動作をする(わざとボケている))
Roger:うん…ただしもっと若い人のことですけどね。もっともっと若い人のことね。
(笑いが起きる)
彼らはアイスを演奏の報酬にもらうみたいですよ。
(笑いが起きる)
Anders:それは私もだ。
Roger:あなたも?(笑)いやいや。
(笑いが起きる)
アイスの味も選ばせてもらえたり?
Anders:Daimstrut(ダイムストリュート)が良いな。(※→「ダイム(=スウェーデンのキャラメルが入ったチョコレート)の粒が入ったアイス)
(※Daimstrutの写真→アイス会社のHP「Daimstrut」)
Roger:Daimstrutね。
とにかく、そのNäppäritを率いているのはMauno Järvelä(マウノ・イェルヴェレー)という人なのですが、彼らのパフォーマンスでは、500人もの若い人たち(子どもたち)が同時に演奏する様子を見ることができるんです。
素晴らしい音楽と、歌と。
とても力強くて、誇りに満ちていて、子供たちが持つべきすべてのもの(※喜びとかエネルギーとか)がそこにあるのです。
そして演奏の後でアイスが振舞われ、おそらく少なくとも1000本のアイスの棒が飛び交うのでしょうけど。
(笑いが起きる)
そういうことなので、Andersあなたも検討してみたら良いと思いますよ。
Anders:一緒に参加しても良いのかな。
Roger:話を戻しますが、Kaustinenでの結婚式は、(自分たちが思っていた通りには)進行がいかなかった、というか。
私たちはVäsen(ヴェーセン※トリオ)で参加していて、教会から外に出る時の結婚行進曲(marschen)を演奏するために待機していたのですが、私たちはフィンランド語がわかりませんでした。
しかも、演奏を始めるための司会者側からの「合図」になるようなフィンランド語も特に無かった(わからなかった/事前に打ち合わせていなかった)んですね。
ですので、(演奏するはずの段階になって)かなり長い間の沈黙がありました。
私たちは立ったままお互いを見て、そして教会音楽家(knator)を見て…静かな時間が流れました。
結局のところ、私たちは「キュッレ」(という言葉)を待っていたんです。それが「どうぞ(あなたの番ですよ)」の意味を示している言葉だと知っていましたから。「キュッレ」と言われるのを。
(笑いが起きる)
でもどうやら、その言葉はそこでは一切使わなかったみたいです。「ではやりましょう」とかなんとか、そういうことをフィンランド語で言っていたみたいなんですね。
どなたかフィンランドを話す方はここにいらっしゃいますか?
…いませんね。
…では皆さんも、私たちの気持ちがわかるでしょう。
(笑いが起きる)
最終的に、教会音楽家が、私たちを怒ったような目で見つめてきて「いい加減にしろ」と言ったので…(笑)というのは冗談です、そんなことは言いませんが、合図があり、私たちは演奏を始めて、外に出て、「おめでとう」と皆さん言って笑っていました。
そして、普通は「空き缶を後ろにつけた車」でどこかへ行くものですが、その伝統はそこには無くて。
車の後ろには2つのフィドルがつけられていて、それがこう…(フィドルがしっちゃかめっちゃかに動いている様子をジェスチャーする)
(笑いが起きる)
なかなか激しかったですよ。
そしてその後で長いパーティーがあり、たくさんのスピーチがあり、私たちはそれを一切理解しないまま…。
(笑いが起きる)
最後は夜のジャムセッションがあり、ジャムセッションの前に、この(今から演奏する)Brudvalsen(結婚式のワルツ)を弾きました。
「Pilvi och Eskos brudvals(ピルヴィとエスコの結婚式のワルツ)」です。
もしも皆さんがこの曲を聴いて、テーマがしつこいとか、シンプルすぎる、繰り返しが多い(同じようなものが続いている)と感じたなら、それには理由があるんです。
これは、Esko Järveläへのメッセージなんです。
彼はいつもめちゃくちゃ難しい曲ばかり書いているものですから。(笑いが起きる)
複雑な曲ばかりをね。
ですので、私はこの曲を書きました。
皆さんもすぐに聴けますよ。
この曲がどれだけしつこいか(シンプル、同じテーマの繰り返しが多い)をね。
(笑いが起きる)
ではお聴きください。
⑬(1:04:39~)”Pilvi och Eskos brudvals” av Roger Tallroth(「ピルヴィとエスコの結婚式のワルツ」ローゲル・タルロート作曲)
(続きは明日)
訳が長くなってしまったので、続きはまた明日です。
Rogerの話もそうですが、Väsenの3人の話っていつもおもしろいですよね。たくさんのコンサートを経験しているからだと思いますが。外国(スペインとか)のフェスティバルに演奏しに行ったのに、交通機関の乱れで到着が遅れて、急いで行ったけど着いたらもうフェスティバル自体が終わってて、その場にたまたま残ってた人達に向けて一応演奏した、とか。
そういう話を、のんびりと笑いながらしてくれるのがおもしろいです。
明日でこのコンサートの訳は最後です。あっという間です。
どうぞお楽しみに。
お読みいただき、ありがとうございました。