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Bondpolska(ボンドポルスカ)の紹介

/ ニッケルハルパ奏者

先日、スウェーデンの伝統音楽でよく出てくる曲の種類について書きました。

スウェーデンの伝統音楽でよく出てくる曲の種類5つ

その中でポルスカについてもふれました。

今回はポルスカの中でも、私が一番身近に感じている「Bondpolska(ボンドポルスカ)」について、簡単にご紹介したいと思います。

Bondpolska(ボンドポルスカ)について

Bondpolskaは、ウップランド地方(Uppland)で伝わっているポルスカです。

ウップランドはスウェーデンの東部にあります。

下の地図ですと、下から1/3ほどの所の右側、オレンジ色に塗っている部分です。

Bondpolskaの「bond」は「農民」や「農夫」というような意味があります。

日本語でもそのまま「ボンドポルスカ」と呼ぶことが多いです。

Bondpolskaは、Åttondelspolska(オットンデールスポルスカ、8分音符ポルスカ)です。

これは、楽譜上では付点8分音符で書かれることが多いリズムなのですが、正確には付点8分音符(16分音符3つ分の音+16分音符1つ分の音)ではなく、3連符(1拍を3つに分ける)の最初の音2つと最後の音1つで構成されるリズムになっています。曲全体を通して、このリズムが流れています。

(ジャズの楽譜などでは、よくこの2つがイコールで結ばれていて、「楽譜だと付点8分だけど、本当は付点8分じゃなくて3連符だよ」と示してありますね)

Bondpolskaの特徴は、一般的には「リズムの上下の抑揚がある曲」とか、ダンスとしては、「回転する際に片方がジャンプするようなダンス」などと言われているように思います。

他にも、ボーイングが基本的に「1↓2↑3↓↑」(1拍目で下がり、2拍目で上がり、3拍目で下がって上がる)という上下のリズムで構成されていたり弓が1拍の中で「遅・速・遅」のスピードで動く、などとも説明されています。

人によって説明の仕方は色々あり、曲やダンスの特徴の感じ方も、人それぞれだなあと私は思っています。

実際どうなのか 動画・音源など

とは言いつつも、「だいたいこんな感じなのか~」というのが伝わるといいなと思うので、動画や音源を載せていきますね。

このような感じです。

↑「Pintorpafrun(ピントルパフルン)」という曲です。

このまま続けて、いくつか載せていきますね。

↑「Tierpspolskan(ティエルプスポルスカン)」

↑「Båtsman Däck(ボーツマン・デッキ)」こちらの奏者と曲に関しては、こちらのページも参考にしていただければと思います→Ceylon Wallinについて

↑「Jag ska väva mig en randig kjortel(ランディグ・ショッテル)」

↑「Näcken och Sko-Ella(ネッケン & スコー・エッラ)」

↑Bondpolskaのダンスの一例


いかがでしたでしょうか。

私はニッケルハルパを弾いていて、ウップランドの曲をよく弾くので、Bondpolskaは私にとっては一番馴染みがあります。

Bondpolskaのリズムは、ニッケルハルパの響きの軽やかさと美しさをよく引き出しているなあ、と感じます。

リズムの抑揚のつけ方、テンポ感、音の出し方、曲のイメージなどは、同じBondpolskaでも、曲によって/人によってイメージや演奏がかなり変わると思います。

皆さんはどう感じましたでしょうか。

ぜひ、他にも聴いたり弾いたりしてみてください。


以上、ウップランドのBondpolskaについて、簡単にご紹介しました。

スウェーデンの伝統音楽の雰囲気が少しでも伝わっていれば、嬉しいです。

また他の曲もご紹介していければと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。