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Magdalena Eriksson & Isak Eriksson(Boda, 2021)のコンサート和訳④

/ ニッケルハルパ奏者

Magdalena ErikssonとIsak Erikssonのコンサートの和訳④です。

①~③はこちら↓

Magdalena Eriksson & Isak Eriksson(Boda, 2021)のコンサート和訳①

Magdalena Eriksson & Isak Eriksson(Boda, 2021)のコンサート和訳②

Magdalena Eriksson & Isak Eriksson(Boda, 2021)のコンサート和訳③

動画

前回の続きから(38:52~)です。

Isak:Valfrid、彼は社交的な人で、パーティー(集まり)が好きでした。

そして、彼は色々なことができました。

その色々なことの中には、魔法も含まれていました。

魔法使いのような人でもあったんですね。

彼が魔法を使い始めたのは、子どもの頃、だと私は思います。

彼はもともと、半身不随だったんです。身体の半分が動かなかったのです。

それで父親がHögsjöfjället(Högsjö山)にいる魔法使いの所へ行って、何か治療のようなものをしてもらい、それが上手くいき、Valfridはフィドルを弾くことができるようになりました。

そしてまた、晩年の頃、彼は魔法のような方法を使って、止血ができた、出血を止めることができたのだと言われています。

Valfridのお孫さんであるSigrid(スィーグリッド)、彼女が覚えているのですが、1950年代の頃のこと、その頃Valfridは80歳くらいだったそうですが、ある時隣人が(Valfridたち一家の家に)電話をしてきました。

「血が止まらないんだ。Valfridはいるか、彼に助けてもらえないか」と。

それでValfridは(家族から)電話を受け取り、「いいよ、やってみよう」と隣人に答えました。

その後、彼は一度電話を切り、ソファに寝そべり、頭の後ろで手を組んで目をつぶりました。

そうしてしばらくの間寝そべった後、彼は起き出して、(家族に)言いました。

「そろそろ電話してみて良いだろう。経過を聞いてみよう」

電話してみると、血が止まっていたそうです。

彼は音楽的な才能以外にも、テレパシーのような力を使うことができたんですね。

では、小さなワルツを演奏したいと思います。「Stakagårdslåten(スターカゴードの曲)」と呼ばれている曲で、Valfridの兄弟のAdolf(アードルフ)が伝えた曲です。

(Magdalenaがすでに楽器を弾き始めているので)もう曲が聴きたいだろうと思いますので、すぐに始めます。

⑩(41:15~)Stakagårdslåten, Adolf Rönnlund(スターカゴードの曲、アードルフ・ルンルンド伝承)

⑪(45:23~)Pingstvalsen(ピングストヴァルセン。ピングストのワルツ、ペンテコステのワルツ)

※pingst…ペンテコステ(Wikipediaのページ(日本語))。精霊降臨のお祭りで5月~6月にかけての祝祭日。

(48:06~)

Magdalena:今演奏しました曲は「Pingstvalsen(ピングストヴァルセン)」です。n’Valfridが伝えました。

この「n’」、これは(私たちの出身地方の)方言で、男性の名前の前には「n」、女性の名前の前には「na」をつけます。

私の場合はna’Magdalenaだし、n’Valfrid、n’Isakです。

もしかしたら、ご覧の皆さま、お聴きの皆さまにも、なじみのあるものかもしれません。

そして次の曲ですが、Erik Rönnlund(エリック・ルンルンド)、Valfridの息子さんですね、彼が「Ekopolskan(エーコポルスカン)」と名付けた曲を演奏します。

(※名前の前にn/naをつけることに関しては、こちらの記事も参考にしました。地方が違うので、記事の方はnとaですが→https://www.land.se/kultur/lands-dialektskola-del-4-lar-dig-prata-kanslor-pa-jamtlandska/

⑫(48:41~)Ekopolskan(エーコポルスカン、エコー(こだま)のポルスカ)

 (51:28~)

Isak:そして、Valfridの息子さんのErikですが、彼が覚えていて教えてくれたのが、Valfridはいつもフィドルを胸に当てて構えていたそうです。

そして、歌えるような(歌詞のついた)ポルスカを弾いていました。

私は(歌は)残念ながらできませんが。

でも、歌詞をお伝えすることはできます。

Erikは、父親がこんな風に歌っていたと教えてくれました。

「ああ、小さなスズメよ。冬がこんなにも厳しく、寒くとも、どうか凍えることの無いように(具合が悪くならないように)」

そしてValfridはこんな風に弾いていたそうです。

⑬(52:09~)Sparve Lille(小さなスズメ), efter Valfrid Rönnlund

(53:58~)

Magdalena:Isak Eriksson!

⑭(54:04~)Skrömtpolskan(スクルムトゥポルスカン)

※skrömtは、「恐ろしい/超自然的な/おばけの/魔法の」等の意味があります。この曲の曲名としてはどれがふさわしいのかわからなかったのですが。

(続きは明日)


続きはまた明日です。

MagdalenaとIsakは、個性としてはそれぞれが全然違う感じがしますが、演奏中お互いの音をよく聴いて演奏しているので、二人の演奏を聴くととても良いなと思います。

明日でこのコンサートの訳も終わります。あっという間です。

明日の分もお楽しみに。

お読みいただき、ありがとうございました。