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私の普段の練習方法など

/ ニッケルハルパ奏者

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私の普段の練習方法と、その時感じる変化について書きます。

練習方法は人それぞれなので、具体的に参考になるかどうかはわかりませんが、「ふーん」と思っていただけたら嬉しいです。

私の練習方法-同じ曲を繰り返し弾く

私の練習方法は単純で、「同じ曲を繰り返し弾いて練習する」です。

参考になるような動画(ニッケルハルパ奏者の演奏動画)や音源がある場合はそれを参考にしながら練習しますが、必ずしもニッケルハルパの動画や音源がある曲ばかりではないので、参考動画や音源の少ないものは自分でとにかく弾いて、感覚をつかむようにしています。

変化を感じる・観察する

そうして同じ曲を何回も弾いていると、自分自身に変化が起きてくるのがわかります。

この変化を感じながら練習すると、おもしろいです。

いつも、感じる変化の種類や順番はだいたい一緒なのですが、最初から頭で考えて「やろう」と思ってもなぜかできないので、何度も何度も弾いて自然と変化が訪れるのを待ちます。

ここで、私が実際に練習しながらよく感じる変化について、おおまかな順番とともに書いてみます。

①まずは普通に弾いてみる-1つ1つの音を弾いているだけの状態

まずは普通に弾きます。

この時、だいたいの曲はまだ私の外側にあるので、「音は弾いているけど曲は弾けていない」状態であることが多いです。

音も、一応その音を弾けてはいるけれど、右手も左手もあまり上手く使えていないし、バラバラに動いているような感覚があります。

たとえば右手の弓の感覚でいえば、この時はまだ弓が自分の手の外側にあるような感覚がします。

力加減や弓のコントロールができていなくて、音が全体的に微妙。

特にやわらかく出したい音はかたくなり、はっきり出したい音は、はっきりを通り越して「キーン」とする感じ。

左手に関しても、バラバラな1つ1つの音をとりあえずそのタイミングで押さえているだけ

フレーズ全体のつながりや切れ目のようなものは一切感じられていない状態です。力加減なども調整する余裕はありません。

曲全体を通じて、大きな見通しも細かい点も見えていない状態です。

「ここからどうしていけばもっと良くなるのか、いまいちよくわからない」ので、ついここで練習をやめてしまいそうになりますが、ここからがスタートです。

②今の自分のまま、とりあえずひたすら弾く-飽きを乗り越える

①の「見通しが立っていない」状態で、とりあえずひたすら弾きます。

もしくは、見本とするような演奏があればそれを参考にしながら弾きます。

ここでは、いかに丁寧に、時間をかけられるかが大事です。

この段階で起きる最初の変化は「飽きる」ことです。

1曲を30分とか、1時間ずっと繰り返し弾いていると、飽きてきます。

そこで飽きてもやめないこと。

もちろん休憩のための時間をとることや、ストレッチはこまめにするのは良いのですが、その曲を弾くのをそこでやめてしまわないこと。

ここは頑張りどころです。

飽きても弾き続ける。何度も弾いても相変わらず①の状態のままでも、変化が感じられなくても、とりあえず弾き続けます。

③変化が起き始める-曲が自分の中に入り始める

飽きを乗り越えて弾き続けていると、そのうち身体と演奏に変化が起きてきます。

まずは、右手。このような変化が起きます。

右手:より細かい動きができるようになる、力加減が変わる

たとえば『音を出す瞬間』はこう、『音が伸びる瞬間』はこう、『音の終わり』はこう、など、より「細かい時間の単位」で、細かい動きの調節が可能になります。

曲の弾きはじめでは「ボーイングパターン」や「動かすこと」だけにいっぱいいっぱいだったのが、だんだんと余裕が出てくるので、弾いている時の時間の目盛りの感覚が、より細かくなっていく感じです。

(ビデオの「コマ送り」の「コマ数」がどんどん増えていく感じで、瞬間的な切り取りがより細かくできるようになってくるような感じです)

これも、最初から頭で「こうしよう」と考えていてもなかなかできなくて、本当に自然と、身体が余裕を持てるようになってはじめてできる、という感じがしています。

また、力加減もより細かい調節がきくようになり、弾き始めの頃よりもより最小限の力で弓が弦をとらえることができるようになったり、よりやわらかく音が出せるようになったり、移弦の精度がより上がるように思っています。(力は抜けます)

最初は手の外側にあるように感じられた弓も、だんだんと手の中に入ってくるように感じられてきます。

左手:ボーイング(右手)と連動した左手のイメージがつく

最初は右手も左手もそれぞれバラバラに動いて音を出している感覚だったのが、何度も弾いているうちに、右手と左手の両方を使って一つの音を出している感覚に変わっていきます。

右手のボーイングの雰囲気(スピードと力加減の具合)と、左手の指の感じを、瞬間的に結び付けてセットでとらえている感じです。

これは、特に曲を弾き慣れないうちは「左手の運指」に意識がいってしまいがちなのが、弾き慣れていくうちに運指がスムーズになっていくので、右手のボーイングで音をねらう感覚と合わせて、両手が連動する意識が高まるのだと思います。

また、左手単体で考えてみても、最初は運指(指の動き)に意識がいきがちなのが、だんだんとそれぞれの音を出す時の指の力加減まで気にする余裕が出てきたり、よりなめらかに指を動かすことができるようになると感じています。

曲の部分部分のとらえ方が変わっていく、とらえ方の正解をいくつも見つけていく

また、右手や左手の変化として書いたことは、実は手だけの問題ではなく、「曲のとらえ方自体が変わる」ことでもあるかなと思っています。

最初は「1つ1つの音の集まり」でしかなかった曲が、弾き慣れていくうちにより大きなフレーズのつながりで感じられるようになったり、そのフレーズの中でもさらに「細かいニュアンスの移り変わり」が感じられるようになったりします。

また、フレーズの区切り方やニュアンスの移り変わりの作り方にも、「いくつも正解がある」ことを発見していきます。

(この「正解」は弾く度に変わったりしますが、1つの「正解」を探すよりも、練習の過程では色々なタイプの「正解」を体験できると良いかなと思います)

弾き始めの頃は「見通しがつかなかった」曲に、この時点で少しずつの見通し(解釈)ができていきます。

また、自分の見通し(解釈)に応えられるだけの「左手と右手の準備(余裕)」もできてきます。

④弾き続けるのが楽しくなってくる-弾き方の基本がかたまってくる

ここまでくると、曲が自分の中に少しずつ入ってくるので、弾くのが楽しくなってきます。

自分自身の変化も感じ始めているので、それが大きなモチベーションにもなります。

自分の中である程度イメージがついている曲(参考にしている動画がある曲)は、この時点からちょっとずつ「イメージした演奏」に近いものができるようになってくるし、イメージが無かった曲に関しても、「自分なりの曲のイメージ」ができてくるのを感じます。

私の場合、この時点で、やっと「その曲の基本の弾き方」みたいなものがかたまってきます。

これも、頭で「こう弾こう」と思って弾き方を決めるというよりは、「自分にとってしっくりくるものが自然とできる」のを待つことが多いです。

数日繰り返す(プロセスの時間が短縮されていく)

さらに、1日弾いて終わりではなく、これを数日かけて繰り返します。

1日目で④までいったとしても、翌日になったらまた①からのスタート(=振り出しに戻る)ということが多いのですが、翌日以降の練習では、①→②→③→④のプロセスの時間が一気に短縮されていくのがわかります。

1日目と同じ①からのスタートであっても、1日目よりも短い時間で④までいくことができるんです。

また、翌日以降の練習なら、1日目の練習終わりの頃よりも、より先の方までいくこともできたりします。

こんな感じで、私は普段練習しています。

頭で決めすぎない方が準備になる

私はこういうプロセスを経て練習をしているわけですが、プロセス全体を通して、「身体が体験し、発見することを大切にする」ということを意識しています。

頭で考えたものと、身体が発見することって結構違うのですが、最終的には身体が体験し、発見したものに従うのが良いかな、と思っています。

これはなぜかというと、①~④のプロセスを経ていることで、身体が色々な状況に対応できるようになる気がするからです。

たとえば、デュオ以上の人数で弾く場合、「曲の持って行き方」や「弾き方」をソロの時とは違うものに変える必要性がありますが、練習時に色々な弾き方を体験しておくことで、瞬間的に相手に合わせることができるようになります。

また、ソロの演奏であっても毎回状況は変わってくるので(たとえばすごく緊張している状況や、集中しづらい状況など)、対応力をつけておくことが後で役に立ちます。

練習方法は人それぞれ

今回書いたのは今の時点での私の練習方法ですが、練習方法は人それぞれです。

私自身は泥臭い練習が好きなので、こういう練習をしていますし、5分でも10分でも、弾くのと弾かないのとでは、弾く人の方が確実に上達すると思っています。

地道な練習は自分を裏切りません。

「間違った練習方法をしてしまって、一時的にあまり効果が出ない」というようなことはもしかしたらあるかもしれませんが、それも含めて練習した時間は「経験」になり、「自信」になります。

自分にとって楽しい練習方法を、それぞれの人が見つけていけると良いなと思っています。


以上、私の普段の練習方法について書きました。

お読みいただき、ありがとうございました。