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Bosse Larssons minneskonsert (2022.11) の和訳⑤

/ ニッケルハルパ奏者

Bosse Larssonの追悼コンサートの和訳⑤です。

①~④はこちら↓

Bosse Larssons minneskonsert (2022.11) の和訳①

Bosse Larssons minneskonsert (2022.11) の和訳②

Bosse Larssons minneskonsert (2022.11) の和訳③

Bosse Larssons minneskonsert (2022.11) の和訳④

動画

前回の続きから(26:49~)の再生です。

前回はCajsa Ekstavの演奏でした。今回はErika Lindgren Liljenstolpe(エリーカ・リンドグレン・リリエンストルペ)の演奏です。

(Erika):Cajsa(カイサ)と同じく、私も小さい頃からBosseと知り合いでした。

私の父はViksta(ヴィークスタ※地名)出身で、ニッケルハルパを弾いていました。

家ではViksta-Lasseの音楽をよく聴いていました。

Vendel(ヴェンデル※地名)でSpelmansstämma(※スペルマンスステンマ。演奏とダンスのお祭り/集まりのようなイベント。自由にセッションをしたりコンサートを聴いたりダンスを踊ったりできる)が開かれた時のことを覚えています。

私は11~12歳くらいでしたが、父がBosseを指さして言いました。

「あそこの彼、彼は本当に美しい演奏をする演奏家だよ」と。

私は「わあ」と思いました。

私も(父の影響で)Viksta-Lasseの曲を家でよく聴いていましたから。

もっと(曲や演奏を)教わりたいなと思っていたんです。

私はそっとBosseの近くに行って、当時確か教わったばかりの、「Eklundapolska nr.1(エークルンダポルスカ1番)」を弾きました。

私はこう思ったんです。「もしかしたら、Bosseが『一緒に弾く?』って訊いてきてくれるかも!」と。

そして実際にそうなりました。

そんな風に私たちの付き合いは始まりました。

間もなくして、Cajsaが連れて行ってくれて、私はBosseの家に初めて行きました。

それからはたくさん通いました。

特に最初の頃は、隔週で訪ねていたと思います。

父がÅlidsvägen(※Bosseの当時の家の住所)まで車で送ってくれて、私たち(Bosseと私)はたくさん演奏しました。曲を教わり、Barbro(※Bosseの妻)がFikaに招いてくれました。

(※Fika(フィーカ)はスウェーデン流のお茶の時間で、お菓子なども食べたりして交流したり休憩したりする)

本当に、とても素晴らしい夜でした。

最初の頃に教わった曲の中から、数曲を演奏したいと思います。私が本当に大好きな曲たちで、Bingsjö(ビングフェー)の伝統曲です。

それらは、宝物のような曲なのですが、以前にはあまり聞いたことが無いようなタイプの曲でした。

聴いてすぐに、ウップランド地方のポルスカやワルツとはまた全然違う音が使われているのだとわかりました。

Bingsjöの曲には魔法がかけられているようだと思いました。

G-moll polska(Gマイナーのポルスカ)を演奏します。

⑥(28:35~)Erikaの演奏1:G-moll polska från Bingsjö(Bingsjöで伝わるGマイナーのポルスカ)

(31:31~)

(Erika):ありがとうございます。

もう1曲、Bingsjöの曲を演奏します。F-dur(Fメジャー)の曲です。

「F-dur polskan(Fメジャーのポルスカ)」もしくは「Prispolskan(プリースポルスカン)」とも呼ばれている曲です。(※pris=prize、賞のこと)

この曲は、最初に教わった時に「とても不思議な曲」だと思いました。

他のどの曲とも違うし、ほとんどクラシック音楽に近いというか、そういう方向性の曲です。

Bosseと一緒に演奏していて素晴らしかったのは、彼は普段から本当に「お茶目だった(ユーモアがあった)」ということです。

(演奏中に)合図をして小さなサプライズを入れたりしていたのを、曲のことを考えるたびに思い出します。

特にこの曲はそうだったなと思います。

一緒に弾いている時、彼は私がこの曲を大好きだと知っていたので、弾いている時にお互いの目を見て(目で合図して)、彼は少し笑って…。

この曲は私にとって本当に「Bosseの曲」なんです。私の番の最後の曲としてこれを弾きたいと思います。

⑦(32:18~)Erikaの演奏2:“Prispolskan” från Bingsjö(Bingsjöで伝わるプリースポルスカン)

(34:15~)

(Bengt):ありがとうございました、Erika。(噛んでしまって何度か言い直す)

この曲を聴く度に、最後のパートがとてもおもしろいと思っています。宙に浮いたような曲の終わり方をしますよね。素敵です。

続いてはデュオをお聴きただきたいと思います。

(続きは明日)


今回はErikaのパートを訳しました。

演奏している曲は、以前ブログで訳した「Bingsjökåtar i Uppland」のコンサートともかぶっています。その時の記事はこちらです↓

「Bingsjölåtar i Uppland Erika/Robert/Örjan」(2022)コンサート和訳①

「Bingsjölåtar i Uppland Erika/Robert/Örjan」(2022)コンサート和訳②

「Bingsjölåtar i Uppland Erika/Robert/Örjan」(2022)コンサート和訳③

「Bingsjölåtar i Uppland Erika/Robert/Örjan」(2022)コンサート和訳④

同じ曲を別の機会に聴くと、より一層その曲が身近に感じられて、私は好きです。

最初に演奏したRobertと比較してみても、同じフィドルで同じような人に習っていても、RobertとErikaの演奏は個性が全然違うのがよくわかり、おもしろいです。

続きはまた明日です。

お読みいただき、ありがとうございました。