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和訳したコンサートまとめ①「Duo Cavez / Paulson」

/ ニッケルハルパ奏者

昨日も少し書きましたが、和訳したコンサートについて振り返りながらまとめてみたいと思います。

おそらく、1日1コンサートずつ、くらいのペースで書きます。(私の気分次第ですが)

今回は「Duo Cavez / Paulson」です。

主に「曲目リスト」と、私からの補足情報やちょっとした感想を載せます。

和訳した記事を書いていた時は、1時間のコンサートを3~6回分の記事に分けてちょっとずつ書いていたので、若干細切れ感がありましたから、こちらで一度、全体を見渡してみたいと思います。

私も書きながら、主に演奏部分を中心に取り出して何度か聴いてみていますので、もしよろしければ皆さまもどうぞ。

1.Duo Cavez / Paulson

和訳をはじめて、一番最初に紹介したのがこちらの動画でした。「Duo Cavez / Paulson」(2023)の配信です。

ベルギーのアコーディオン奏者Sophie Cavezと、スウェーデンのニッケルハルパ奏者Josefina Paulsonのデュオです。

場所は「Bror Hjorths Hus」です。

このコンサートは、2~3年以内に書かれた新しめのオリジナル曲(ただし伝統音楽の影響を多く受けている)で構成されています。

アルバムのリリースコンサートだそうで、アルバム(コンサート)のコンセプトが「子守唄」でした。

お二人とも母親でありミュージシャンということで、演奏と二人の雰囲気がとても合っている、素敵なコンサートになっています。

すべての曲に、童話のような短い物語が込められているそうで、「童話集のように聴いて欲しい」とも言っていました。

曲目は以下の通りです。現時点でアルバム発売が少し遅れているそうで、曲名や詳細は私もわかっていないものも多いのですが、MCで曲名を言っているものだけ「」で書いています。

→曲名がわかったので、修正しました。ただし作曲者は私の推測です(2023/9/1)

リンクは、別ウィンドウでYouTubeの該当箇所が開きます。

①(0:53~)「Murmure – Vintervila(冬の小屋)」(新しいアルバムの紹介。言葉の無い紹介、短い曲)

②(4:20~)「Tourbilon d’automne」(Sophie作曲)

③(9:52~)「Dunkla polskor」(Josefina作曲)

④(15:28~)「Ronde du printemps – Danse de l’été」(Sophie作曲)

⑤(22:26~)「Insnöad(=(雪に)取り囲まれる、閉じ込められる)」(Josefina作曲)

⑥(26:15~)「Skymningsschottis (夕暮れのショッティス)」(Josefina作曲)

⑦(31:05~)「Guldfisken(金魚)」(Josefina作曲)

⑧(35:26~)「Vaggvisa Rubato」(Sophie作曲)

⑨(39:21~)「Marche d’hiver」(Sophie作曲)

⑩(44:18~)「Scottish à ma Juliette」(Sophie作曲)

⑪(48:12~)「Vidunderliga vidunder」(Josefina作曲)

⑫(56:15~)「Strimma ljus(一筋の光)」(Josefina作曲)最後に①の曲をもう一度弾いています。

⑬(1:01:53~)アンコール:「Tourbilon d’automne」(Sophie作曲)

補足・感想

②「Tourbilon d’automne」

この曲は「5拍子のワルツでした」と後から言われて、お客さんも驚いている雰囲気でしたが、私も最初に聴いた時には5拍子だと全く気づきませんでした。(というか私は何も考えずにぼーっと聴いていただけ)

でも聴き直すとしっかり5拍子です。

⑬のアンコールでもう一度この曲を弾いてくれたことで、お客さんは「あ、さっきの曲だ」と思うのと同時に「確かに5拍子だな~」と数えながら聴くことができたのではないかと思います。

アンコールの前、最後の曲(⑫)で①の曲をもう一度弾いてくれているので、流れとしてもコンサートが循環している(⑫→①→②)ような感じで、きれいなアンコールの流れだなあと個人的に思っています。

③「Dunkla polskor」(おそらくJosefina作曲)

MCでは「ポルスカです」とだけ言っていましたが、おそらく2つのポルスカを弾いているのかな?と思いました。

私、一応見たコンサートの曲をおぼろげながらも自分で練習中に弾いたりするのですが、弾いていると「あれ、この曲とこの曲違う曲かも」というのがよりわかってきます。(それでも⑪のスレングポルスカのセットは曲が似ていてわからなすぎて挫折しました)

1曲目はAパート(曲の前半)だけ弾いて、その後2人で入るところからは2曲目を弾き、何周かして、最後(12:50~)に1曲目を再び(ABパート全部)(2周くらい)弾いて終わり、という構成に見えます。

どっちも8-delspolskaだと思うのですが、Josefinaはこういうタイプの8-delspolska(ウップランド系とはまた少し違うような、繊細なニュアンスの8-delspolska)の弾き方がすごく素敵だと私は思っていて、どちらもかっこいいです。彼女がよく弾いている「Vispolska」もこういうタイプだなと思っています。

※8-delspolskaについてはこちら→16-delspolska、8-delspolska、Triolpolskaについて(その1)リズムによる分類/ダンスの分類の違いと、それぞれの解説

※Josefinaがよく弾いているVispolskaというのはこちら↓(43:08~の再生になっています)

※他にもこちらとか↓

④「Ronde du printemps – Danse de l’été」(Sophie作曲)

これも、私も自分でちょろっとへなちょこで弾いてみて思いましたが、Josefinaが「曲のキー的にニッケルハルパでは運指が難しい」と言っている意味がよくわかる2曲です(笑)

Sophieの作る曲は、どれも(⑧⑩なども)雰囲気がパッと切り替わる曲が多くて、素敵だなあと思います。

2曲目はこちらの動画でも演奏されています↓

Sophieのアコーディオンの演奏は、円環の広がりみたいなものがあって素敵だと思います。

⑤「Insnöad(=(雪や伝統音楽の世界などに)取り囲まれる、閉じ込められる等の意味」(Josefina作曲)

ダンスの曲というよりは「gånglåt(ゴングロート=歩く時の曲、2拍子)」という感じの曲、とMCでJosefinaが言っていました。

Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳②

MCによると、取り囲まれるのは雪だけではなく「色々な世界」になるのだと思いますが、私は曲を聴いていて、単純に「雪がちらほら降っている/しんしんと降り積もるようなイメージ」も湧いて、良いなあと思いました。

私、gånglåtってイメージが若干固定されている気がしていて、自分のオリジナルとしては作りにくいタイプの曲かなと勝手に思っていました。

でもJosefinaはgånglåt的な曲も何曲か作っていて、それらを聴いたら、「gånglåt」のオリジナル曲も良いなと思うようになりました。イメージを広げてもらいました。

⑥「Skymningsschottis(夕暮れのショッティス)」(Josfina作曲)

Skymningsschottisはこちらの音源でもソロで演奏されています↓音源では、ショッティスの後に別のポルスカが入っています。

コンサートでは、後半(というか途中というか)にまた違う曲(違うテーマ)を入れていると思います。

違う曲の部分もJosefinaの曲なのか、それともSophieの曲(アレンジ)なのか、わかりませんが、その違う部分がちょっとフランスっぽい雰囲気がして、最初のショッティスと合っていて良い感じだと思いました。

⑦「Guldfisken(金魚)」(Josefina作曲)

金魚のイメージって、日本の金魚と海外の金魚だと少し違うような気がします。私のイメージかもしれませんが…。

日本で金魚というと、他の熱帯魚とかと比べて「身近な魚」という感じがします。ペットとしても定番で、縁日や、うちわの図柄でもよく見るような。

でも海外で「金魚」というと、尾ひれをひらひらさせてゴージャスで、少し気取ったキャラクターの魚というイメージがある気がします。

たとえばディズニーの作品に出てくる金魚のキャラクター(具体的にはわかりませんが)とかって、尾ひれをひらひらさせてまつ毛が長くて…みたいな感じがあるかな、と思うんです。

この曲の金魚も、なんとなくそっちの、ちょっと気取った感じのゴージャスな金魚かなと私はちょっと思いました。それがずんずん進んでいく(踊っていく)イメージが思い浮かんで、かわいいと思いました。

⑫「Strimma ljus(一筋の光)」(Josefina作曲)

さて、ちょっと長くなってきたのと私の語彙が少ない影響で、途中の曲の感想は飛ばします。⑨の不穏な感じの曲もとても好きですが。

最後に⑫のこの曲の補足だけ。Josefinaが別のトリオでも演奏されているバージョンを載せます↓

「the undercurrent」というアルバムです。カナダのミュージシャン2人と一緒に演奏しているアルバム、だそうです。公式HPで読みました。

という感じで、和訳した「Duo Cavez / Paulson」のコンサートを振り返りながらまとめてみました。

参考にしていただけたら嬉しいです。

和訳した記事↓

Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳①

Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳②

Duo Cavez / Paulsonのコンサート、日本語訳③


以上、和訳したコンサートまとめ①「Duo Cavez / Paulson」でした。

お二人のCDですが、おそらく発売になったと思うので、YouTubeのリンクを貼っておきます。1曲目のリンクだけ貼りますね。(2023/9/1)

お読みいただき、ありがとうございました。